9 ページ10
「はぁあぁぁぁあぁ……」
私は盛大に溜め息を吐いていた。
それはもう幸せどころか魂まで何処か逃げそうなくらい深いやつだ。
「――本当に沖田隊長ってどうしてああなんですかね。真面目に脳外科連れていった方が良いと思うんですけど」
万事屋にて、約束通り神楽ちゃんにお手製シロップを持ってきた私は、沖田隊長について愚痴っていた。
いや、マジで愚痴りたくもなるよ本当。
何でアイツあんななの?手遅れなの?生まれた時に何か大事なもの母親の子宮に置いてきちゃったんじゃないかな?
常識とか人間性とか。
「それらは生まれて来てから学ぶものなんで、置いてきてはいないと思いますよ」
「それもそうか」
ナイスツッコミありがとう新八君。でも心読むのはやめようか。
「Aも大変だねぇ」
苺牛乳を飲み、死んだ魚のような目で完全に他人事の銀さんを軽く睨む。
「銀さん、同じドSなんですから対処法位分かるでしょう?教えてください。この間なんて、折角干した薬草燃やしやがったんですよあのクソサド」
「マジか!私今からアイツのねじ曲がった根性叩き直してくるネ!」
「待って神楽ちゃん、アイツ今屯所!殴り込んだら捕まっちゃうから!」
番傘を持ち、今にも飛び出さんとする神楽ちゃんの腕を掴んで必死に止める。
冗談抜きでヤバイって。
「対処法って言われてもなあ。俺総一郎君じゃねーし」
「銀さん、総悟です。
そんなこと言わないで下さい。薬草は近藤さんがよく言ってくれたから今後は無いでしょうけど、他の嫌がらせを止める方法とか」
「他の嫌がらせって?」
その問いに私は顔をしかめた。
思い出すだけでも殺意が沸く。
「…朝起きたら顔に落書きされてたり、枕元に女の生首人形置かれてたり、片付けてた筈の部屋が散らかってたり、薬草隠されたり、ご飯食べてたらタバスコぶっかけられたり、作っておいたシロップに百足入ってたり、部屋にゴキブリ放されてたり、犬の糞襖に投げつけられたり、あと」
「どんだけあるんだよ?!!」
すかさずツッコミを入れた新八君を、私は半目で見遣り、
「……聞きたい?」
「……遠慮しときます」
うん、それが懸命だよ。聞くだけで吐き気がするし日が暮れるから。
「何でそんなに嫌がらせされてるアルか?マヨラー並みだナ」
「さあ……。他の人の話じゃ、そのマヨラーさんと同じ理由らしいけど」
そう。あれは私が真選組に入った日のことだった――。
1291人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時