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確か今日の見回り当番は一番隊では無かった筈だ。

ならサボり魔のあの人のことだ、きっと屯所内にいる。


そう思ってまずは部屋に行ってみたが、そこに沖田隊長はいなかったので、半信半疑で道場に行ってみると、近付くにつれて、ブンッという素振りの音が聞こえてきた。


誰か練習してるのか。


そっと中を覗き込んでみると、そこには素振りをする沖田隊長の姿があった。

いつものだらけた様子は微塵も無く、真面目に木刀を振っているのが後ろ姿からでもよく分かる。

その立ち姿と太刀筋は、私のような素人であっても目を釘付けにする程真っ直ぐで、芯が強い。


…綺麗だな……。


つい目的を忘れて見惚れていると、沖田隊長は突然素振りをやめ、


「誰でィ」

「!」


袖で汗を拭いながらこちらを振り向いた。


嘘、私背後にいたんですけど。何で気付くの、気配察知ってやつか。すご。

――ってそれはどうでもいい。


沖田隊長は私の姿を認めると、


「……ああ、お前かィ。

何か用か?悪ィけどちょっと待っててくれねェか。今忙しいから」

「――ッ!?!?」


ゾワァッと全身に鳥肌が立った。


ななな何その普通の対応ォォォオオ!!?

ヤバイ……気色悪い!!お前そんな事言うキャラじゃないだろォォォオオ!!


いつもなら、


『何見てるんでィ雌豚。覗きの趣味でもあんのか変態』


くらいのことは言うのに!!いくら反省してるからって何この切り替えっぷり!!怖っ!!?

最早多重人格レベルなんですけど!!?


「ハ、ハイ。スミマセン。」


完全片言の返事には特に言及せず、沖田隊長は頷くと、また素振りを始めた。


ちょ、調子狂う……。何あのスマートさ。誰だよお前はァァァアア!!!

ホワイト沖田とかもう怪しすぎなんですけど!?カムバックブラック沖田!!!


内心で叫びながら、とにかく再び邪魔する訳にもいくまいと、私は隊長の素振りが終わるまでずっと壁を向いていた。

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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時

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