真選組専属医師の悩み【沖田総悟】

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な、何でここに!?


狼狽える私に、銀さんは悪戯っぽく笑う。


「実は昨日、総一郎君から電話があってよ。この店に連れてくるように頼まれたんだわ」

「旦那、ウチの馬鹿医者モドキが迷惑かけやした。きっちり調教しとくんで、勘弁して下せェ」


半ば遮るように沖田隊長はそう言うと、私の腕を掴んで立たせた。

銀さんは意地悪げな笑みを彼に向けると、煽るような口調で、


「いや〜全然迷惑してねェよ？寧ろいてくれて良いっていうかさ？毎回イロイロ相談受けてる身としては、帰すのは心配っていうか？」

「え、あの、銀さん？」


何で『色々』をそこまで強調するんですかね？あと何でそんな煽ってるの？何これ。


「――ってことでA、嫌になったらいつでも来てくれていいぜ？」

「アンタさっきと言ってること全然違いますけど!?」


かなり感動しただけに、結構衝撃だった。


さっきの良い大人っぷりはどこ行ったんだ。台無しすぎにも程があるでしょ……。


「とにかく、依頼料は後で払いまさァ」

「わっ!?」


何故か不機嫌そうになった沖田隊長は、強めに私の腕を引っ張り、引きずるようにして甘味処から出ていこうとする。


っていうか銀さん依頼料取るんだ……。

家計苦しいの知ってるけど……うん……すごい微妙な気分だ。


「え…っと、銀さん、ありがとうございました！神楽ちゃんと新八君によろしくお願いします！」


銀さんがひらひらと手を振ったのが、暖簾(のれん)の隙間から見えた。

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