07 ページ46
「"このパーティの人数は何人?"」
「……どういうことですか」
「誰と誰と誰だから何人、かも言って」
意図が読めない質問だった。でもとりあえず答えよう、と指折り数える。
「ええと、私、影山さん、日向さん、研磨さん……あと青根さんだから……五人ですね」
「いや、違うだろ」
「え?」
影山さんを見ると、まるで何言ってんだみたいな顔をしていた。
「一人足んねぇぞ、それじゃ」
「え……? いや合ってますよ、だって最後に青根さんが加わって」
「最後は青根さんじゃねえよ」
……と、言われても。
まるでわからなかった。最後? 最後って、じゃあ、
「……あっ、分かった! ヒナガラス!」
「そうじゃねぇ!」
「もー、何なんですか? 日向さんのたんこぶとか言いはじめるつもりつもりで?」
まさかねーと冗談でケラケラ笑う私とは対照的に、顔を付き合わせて話し込む二人。
ボソボソと会話が聞こえる。
「……これ、Aが危ない頭になったってことか」
「それもあるかもしれないけど……おれも寝てたから何があったかはわかんないけど、とりあえず説はあるよ」
「何なんだ一体」
「もー、もったいぶらずに教えてくれたらいいじゃないですかー! あっ、二人で珍獣でも捕まえたとか?」
なーんて、と言った私に、影山さんが向き直る。
「……いいか、A。よく聞け」
「え? あ、はい。答え合わせですか」
「パーティメンバーは、……6人だ」
「最後に加わったのは、岩泉くん」
いわいずみ?
いわいずみ、いわ、いずみ……と、研磨さんの言葉を反芻して。
そこでようやく気がついた。
「っは、あの、岩泉さんってあの及川さんの右腕だった、…………え?」
「そうだよ」
「え、ひ、……人違いですよね?」
「何も違わねえよ」
何で。どうして。
どうして私の知らないことがあるの?
どうしたらいいかわからなかった。ただ二人の顔を見る私の目は、不安で満ちていたと思う。
影山さんにも視線を送られて、研磨さんがそっと口を開いた。彼なりの仮定を、話そうとしたのだと思う。
「……たぶん、Aは――」
*
6人がお気に入り
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年8月1日 18時