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「ん――お! あれ、もしかして森!?」
日向さんが指差した先を、目を凝らして見た。そして見えたのは――微かに、微かにだけど木のようなもの。
もしかしなくても、目的地だったりする?
「多分そうだと思います。行ってみましょうか」
「おう!」
なんとなく浮き足立ちながら進んで、やがて見えてきた、森。
久しぶりに見る緑緑しい景色に、思わず感嘆の息を吐いた。
「やっと……」
「行っていいんだよな!?」
「おい待てコラ!!」
何故か走り去ってしまった二人。……子供か。
まぁ、何はともあれ善は急げだ。途中ですり寄って来た小さいモンスターを蹴散らしてから、私も急いだ。
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「すっげーー!! なんか自然、って感じするな!!」
「当たり前だろ自然なんだから」
「そうだけど!!」
「どうどう、せっかく着いたんですからもうやめにしましょうよ」
ね? 私が止めると黙る二人。子供か。
少し進めば、ちろちろと音がしはじめた。もしや――と思えばその通り、小さくだが川が流れている。
「あーーーー!! 水ですよ水! きゃあ水だ!!」
「水だ……」
「水だな……」
しばしの感動。そして一瞬の間があってから飛び込もうとした二人の服を慌てて引っ張る。
「怪我しますよ!?」
「でも喉渇いたし……」
「このまま飲んだっていい味しません、とりあえずろ過装置作るので待っててください」
「…………ろか?」
「…………お二人は食べられそうなもの探してきてください」
でも見つけてすぐ口にいれちゃダメですからね!! と注意だけして二人を送り出す。一応植物学の勉強はしてきたから、私が見てもわかるハズだ。
さて、と川に向き直って、石やら砂やらを集め出した。原始的だけどこれしかない。容器は……何か代用できないかな。
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年8月1日 18時