第171Q ページ10
『何か言うこと、あるよね?』
「・・・黙っててすまん、です。」
それは、ある日の昼休み、私がお弁当を食べている最中だった。
机の上に置いていた携帯が着信を告げる。
ディスプレイには
『火神、大我・・・』
宿に1泊した翌日から忽然と姿を消した彼は、どうやらアメリカのロサンゼルスにいるようだった。
聞くところによると、かつての師匠に会いに行ってるらしい
リコ先輩も日本を発つ直前に聞き、あきれ果てたそうな。
部内では強くなって帰ってくるならなんでもいいって意見に落ち着いたんだけども。
私は全然腑に落ちてないからね!!?事前に言ってくれたり相談したりしてくれたっていいじゃん!!
なんでこんなに悶々としてるのか分からないもどかしさから来るイライラも込めて
私はその電話を取ると、有無を言さず冒頭のように問いかけたのだった。
『分かってるなら、もっと早く連絡してよね。』
今日まで音沙汰なしだったじゃん!
火「そっち帰るって連絡、お前に1番にしてるんだから、それで許せよな。」
その言葉に私は色めきたつ。
『え!帰ってくる!!?いつ!!!』
思わず声を荒らげると、電話の向こうで楽しそうな笑いがする。
火「大会の前の日には、日本に帰る」
どこか優しさの含んだ声に、私も頬が緩んだ。
『そっか。
私、マネージャーなのにさ、大我ったらなんも話してくれなくてちょっと寂しかったんだよ。
練習中も、大我何してるかな、とか、会いたいな話したいこといっぱいあるのにって思ってて・・・あ、でも、久しぶりに会うってなるとちょっと緊張するかも。』
言いながら、私って寂しかったんだと気づいた。
心の蟠りはもうなかった。
息を飲む気配の後、大我が大きなため息を吐く。
火「俺、今、黒子と青峰にすんげぇ同情した。」
は?
『テツヤと青峰がどうかしたの』
意味わからず問うと、なんでもねぇよ、という電話からの声と、呼びましたか?という後ろからの声が重なった。
『あ、テツヤ。
大我から電話来てて、帰って来るってさ!!』
黒「そうなんですか。」
少しだけ目を見開いてテツヤが言う。
黒「みんな、心待ちにしてるのと伝えてください。」
それに頷いて、大我に伝えると、威勢のいい返事が返ってきた。
その声がテツヤにも届いたいみたいで、苦笑いしてるのを私は見つめていた。
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涸萌佳雨(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます><落ちについては、もう既に決めているのですが、正直どっちも捨て難く、また迷い始めてます笑笑しっかり読んで考えてくださって感謝です!最後まで見届けてくださると嬉しいです^^/ (1月13日 2時) (レス) @page30 id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 初心者です!さん» コメントありがとうございます!シリーズ1からいらっしゃいませ!楽しんでもらえているようで何よりです><ゆっくりですが更新進めておりますので、これからもよろしくお願い致します〇 (12月19日 14時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - シーズン1から読んでいたら、青峰落ちもいいな!と思ってしまいます… (12月19日 13時) (レス) @page5 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - シリーズ1から来てます!すっごく面白いです!これからも更新頑張ってください! (12月17日 15時) (レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!!応援の言葉励みになります;;これからもよろしくお願い致します>< (12月1日 10時) (レス) id: be90f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2023年1月13日 21時