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第167Q ページ6

『・・・寝れない』



深夜2時


暗闇の中でパチリと目を開けた私は静かにこぼした。





さっきあいつに会ったせいか、ずっと考えてしまって、目を瞑っても一向に眠気は訪れず。




私はどうしようもなかったので、とりあえず体を起こす。




んー、風にあたりにいこうかな・・・



そう思い立ち、リコ先輩を起こさないよう部屋を抜け出した。



静かな廊下を進んでいくと、中庭に出られる場所を見つけたので、出てみることにした。

そこは日本庭園風で、ライトアップもされていたから余計に美しさが増している。




どこからか水の湧き上がる音にリラックス効果を感じながら歩いていると、小橋に人影を見つけた。



『あ、テツヤ』


手すりに身を預け、流れる小川をぼうっと見つめていた彼に私は声をかけた。



黒「Aさん・・・どうしたんですか?」

『なんか考え事してたら、眠れなくって』

黒「・・・僕もです。」

『わかった、1戦目が楽しみすぎるんでしょ?』

黒「いや、そういう訳では・・・」




そう?と言いながら近づいて、隣で自分も小川をのぞき込む。


『静かだねぇ〜』


水の流れる音以外何も聞こえなくて、ここだけ世界から切り離されている感覚がした。



黒「・・・これ、着てください。」


パサり、と肩に乗せられたのはテツヤが着ていたジャージだった。


『え?いいよ!テツヤ寒いでしょ?』
黒「いえ、大丈夫ですよ。」


口元に笑みを含んで言う彼に、私は眉尻を下げた。

『そ、そう?ありがとう・・・』


それから、少し笑って



『やっぱり、テツヤって優しいよね』



と言うと、少し間があってから、そうでもないですよ。と謙遜めいたことを言った。

それが本当に謙遜では無いことを私はすぐに知ることになる。




黒「・・・あの日も、こんな星空でしたね」


空を見上げたテツヤが、白い息を吐く。


はて、あの日とは?



黒「Aさんが、僕を星みたいだと言った日です。」




ああ、そんなこと言った気がするかも(第11Q参照)


『結構前のことよく覚えてるね』



あはは!と笑って彼を見ると、すごく真剣な表情をしていたので思わず無意識に口を噤む。



え、っと、この雰囲気は何?

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涸萌佳雨(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます><落ちについては、もう既に決めているのですが、正直どっちも捨て難く、また迷い始めてます笑笑しっかり読んで考えてくださって感謝です!最後まで見届けてくださると嬉しいです^^/ (1月13日 2時) (レス) @page30 id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 初心者です!さん» コメントありがとうございます!シリーズ1からいらっしゃいませ!楽しんでもらえているようで何よりです><ゆっくりですが更新進めておりますので、これからもよろしくお願い致します〇 (12月19日 14時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - シーズン1から読んでいたら、青峰落ちもいいな!と思ってしまいます… (12月19日 13時) (レス) @page5 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - シリーズ1から来てます!すっごく面白いです!これからも更新頑張ってください! (12月17日 15時) (レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!!応援の言葉励みになります;;これからもよろしくお願い致します>< (12月1日 10時) (レス) id: be90f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/  
作成日時:2023年1月13日 21時

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