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第188Q ページ27

流れは完全に誠凛だった。

そして試合時間も残り10分を切った頃、日向先輩が相手のファールを取ったことで、3点差に追いつく好機を得たのだ!

会場が一気に熱を帯びた。


私も思わず立ち上がってしまい、慌てて座り直したが、体が前傾してしまう。





…あれ?


フリースローの準備がされる中、青峰がセットから外れた。

櫻井くんに自ら声をかけリバウンドを捨てた…?



私はその異様な空気感に、息が詰まりそうになりながらも、日向先輩のフリースローを見守る。


彼は落ち着いて3ポイント稼ぎ、見事3点差まで追いついた。







ザワリ、胸騒ぎがした。

それは、青峰がボールを持ったその一瞬。


全身に電流が駆け抜けたような感覚が私を支配する。



そして、気がついた時には青峰によって点数が決められていた。


何が起きたのか全く分からなかった。目で追うのもやっとの異次元の速さ。







聞いたことがある。

ごく稀に、試合中に余計な思考感情が消え失せ、プレイに没頭する状態になる選手がいると。

ただの集中ではなく、極限の集中状態。


人はそれを『ゾーン』と言った。


トップアスリートで偶発的にしか経験できないほど稀有な現象。選ばれた人しか入れない、究極の領域…。


青峰は、それに入れた…いや、自分から入りに行った?






その後の試合は目を疑うものだった。

こんな終盤なのに、今までより倍は速く見える…。


これが、100%の力を出した青峰??

私でさえも見たことがなかった。




これが、本当の青峰大輝



▽▲▽▲▽▲



『青峰、聞いたよ。村野台のスカウト断ったんだって??』

青「ったく、さつきめ。ホント情報はえーわ」






『…ねぇ。』

青「んだよ」

『……なんでもない』




当時、私は気がついていた。


ただのバスケ好きの高校生なのに、青峰は孤独だった。




あの試合で青峰が味わった、失望と怒りと悲しみを、私が完璧に理解する術は無い。


けれど、ずっと傍で見てきたから、助けてあげたかった。




▽▲▽▲▽▲



きっと、こんな状況でも、誠凛のメンバーは誰一人諦めたりしない。


それをわかっていたからか、私の頭の中は青峰でいっぱいだった。



あの青峰が、全力でプレーをしている。


その事実に、自分でも計り知れないほど大きな感情が浮かんでくる。

出会った頃のあの眩しい笑顔を思い出して、目頭が熱くなった。





笑って、る…





あまりにも明るすぎて、私は目を細めた。

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涸萌佳雨(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます><落ちについては、もう既に決めているのですが、正直どっちも捨て難く、また迷い始めてます笑笑しっかり読んで考えてくださって感謝です!最後まで見届けてくださると嬉しいです^^/ (1月13日 2時) (レス) @page30 id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 初心者です!さん» コメントありがとうございます!シリーズ1からいらっしゃいませ!楽しんでもらえているようで何よりです><ゆっくりですが更新進めておりますので、これからもよろしくお願い致します〇 (12月19日 14時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - シーズン1から読んでいたら、青峰落ちもいいな!と思ってしまいます… (12月19日 13時) (レス) @page5 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - シリーズ1から来てます!すっごく面白いです!これからも更新頑張ってください! (12月17日 15時) (レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!!応援の言葉励みになります;;これからもよろしくお願い致します>< (12月1日 10時) (レス) id: be90f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/  
作成日時:2023年1月13日 21時

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