第179Q ページ18
その後の試合は文字通り3Pの撃ち合いになっていった。
悔しいけれど、今はこれで凌ぐしか方法は無い…。
取られては取り返しを繰り返し、第1Qはテツヤのバニシングドライブから繋いだボールで同点に追いついたところで終了した。
ひとまず離されることなく第1Qを終えられたのは相当でかい。
なんだけれども。
私はチラリと隣のベンチに目をやる。
馴染み深い桃色の髪が静かに揺れた。
試合中だけほんと人が変わったかのような瞳をする彼女は、テツヤのドライブを1度受けたことがある。それに加えて、WC予選で何度も見ているだろう。
もしかしたら、破られているかもしれない。あのドライブの消える秘密が…
黒「…カントク
第2Q開始直後、もう一度いかせてください、バニシングドライブ」
テツヤが真剣な目でリコ監督に訴える。
懸念点はあるものの、彼女はテツヤの意思を尊重した。
確かに、いずれかはバレるドライブだから、ここで出し惜しみするのも勿体ない。それに、あれは条件さえ満たしていれば、止められない技だ。
…ケド
私は、再び桐皇のベンチに視線を送った。
今度は、青峰を見つめる。
なんでか分からないけど、苦しくて泣きそうになってしまったんだ。
…嫌な予感がするよ、テツヤ。
バニシングドライブは、テツヤが自分の技でキセキの世代を抜くっていう目標のために、生み出されたものだ。
そして、5人いるキセキの世代の中で、恐らくテツヤが最も倒したい相手は青峰だろう。
バニシングドライブで青峰を抜くことが、テツヤにとってすごく大事なことなんだと
テツヤの、黒子のバスケで青峰を負かすことが、きっと───
そうだと、分かっていた。知っていた。
だから、尚更、第2Q開始直後にテツヤのドライブが青峰に止められたのを見て、息が出来なくなるほど胸が痛んだんだ。
その後、冷静さを欠いたテツヤの無理やりな、だけれど、1度彼の手をはじき飛ばしたイグナイトパス廻すらも、青峰に止められてしまったのを見て、
私は、ただ静かに涙した。
降「A?大丈夫か…?」
『…っぁ、』
降「A?」
何か声が出そうなのに、ただ息が漏れただけだった。
桃(A…。)
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涸萌佳雨(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます><落ちについては、もう既に決めているのですが、正直どっちも捨て難く、また迷い始めてます笑笑しっかり読んで考えてくださって感謝です!最後まで見届けてくださると嬉しいです^^/ (1月13日 2時) (レス) @page30 id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 初心者です!さん» コメントありがとうございます!シリーズ1からいらっしゃいませ!楽しんでもらえているようで何よりです><ゆっくりですが更新進めておりますので、これからもよろしくお願い致します〇 (12月19日 14時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - シーズン1から読んでいたら、青峰落ちもいいな!と思ってしまいます… (12月19日 13時) (レス) @page5 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - シリーズ1から来てます!すっごく面白いです!これからも更新頑張ってください! (12月17日 15時) (レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!!応援の言葉励みになります;;これからもよろしくお願い致します>< (12月1日 10時) (レス) id: be90f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2023年1月13日 21時