第175Q ページ14
その後、赤司は言うことを言って直ぐに行ってしまい、その場はお開きとなった。
去り際、これAちんにあげる、と紫原から貰ったキャンディガムを頬張りながら早足で待合室に向かう。
彼のおかしな言動は何故なんだろうと思案してみたが、答えは一向に見つかりそうにない・・・はぁ。
黒「Aさんのそれ、大きくないですか?」
短く息を吐いた私の横でテツヤが上着を指さしてくる。
『あぁ、これ、大我が貸してくれたの。ほら。』
胸元の「火神」と縫われた名前を見せると、テツヤはなんとも言えない顔で私を挟んで反対側にいた大我を見つめた。
火「・・・んだよ」
黒「いや・・・、まさかとは思いますが」
火「あー、違う違う。そんなんじゃねぇよ。」
黒「それなら良かったです。本当に。」
火「心込めすぎだろ」
黒「必死なので。ただでさえ戦々恐々としてるのに」
・・・何の話??
首を傾げる私に、2人は何事も無かったかのように進んでいくから、後に続くしかなかったのだった。
まぁ、言いたくないことは無理やり聞いたりはしない。
とにかく、第1試合・対桐皇戦に集中しようっ!!
▽▲▽▲▽▲
各校の試合を見る余裕もなく、勝負は開始時間を間近に控えていた。
私たち誠凛はIHで桐皇に負けた。
今回はリベンジ試合だと、普通の人は思うだろう。
確かに、その気持ちも大いにある。
けど、私やテツヤにとっては全く重みが違う。
キセキの世代が一堂に会する最初で最後の大会
卒業式での約束の試合
変わってしまった彼らを否定するバスケ
そして、相手・・・1番の友人で理解者でライバルだった青峰
ここにいる誰よりも、この一戦にかける思いが強いのだ。
コートに向かうテツヤが私を振り返った。
黒「必ず、勝ちます。」
その一瞬だけ、騒がしい体育館から切り離された空間にいるように感じた。
声援で包まれているはずなのに、すごくすごく静かで、
テツヤの声だけが、私の耳に届いていた。
ふと、青峰を見ると、彼もこちらを見ていた。
鋭い眼光は、集中度が高い証拠。
そんな青峰を、テツヤはどんな思いで見つめていたのか。
私には、わかる気がした。
もう一度テツヤと目を合わせる。
『勝ってこいっ!テツヤのバスケで!』
誇らしげにテツヤが笑った。
私たちは飛び交う声援の中にいた。
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涸萌佳雨(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます><落ちについては、もう既に決めているのですが、正直どっちも捨て難く、また迷い始めてます笑笑しっかり読んで考えてくださって感謝です!最後まで見届けてくださると嬉しいです^^/ (1月13日 2時) (レス) @page30 id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 初心者です!さん» コメントありがとうございます!シリーズ1からいらっしゃいませ!楽しんでもらえているようで何よりです><ゆっくりですが更新進めておりますので、これからもよろしくお願い致します〇 (12月19日 14時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - シーズン1から読んでいたら、青峰落ちもいいな!と思ってしまいます… (12月19日 13時) (レス) @page5 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - シリーズ1から来てます!すっごく面白いです!これからも更新頑張ってください! (12月17日 15時) (レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!!応援の言葉励みになります;;これからもよろしくお願い致します>< (12月1日 10時) (レス) id: be90f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2023年1月13日 21時