東卍の白豹Part2

87話:つらいのは＿＿ ページ42

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手術室の前に着くと、既に先客が居た



血で赤く染まった白いシャツを着て呆然としている真一郎

泣くのを我慢して強く拳を握りしめるマイキー

「雪ネェ起きてよぉおお！！」と泣きじゃくるエマ

そんな孫達を宥めながらも不安な表情を隠せてないじいちゃん



佐野家とは血の繋がりがないが
家族も同然だった






ワカは呆然とする真一郎に距離を詰めて
胸ぐらを掴んだ



若狭「真ちゃん...どういう事だよオイ！！
なンで雪がこうなった！？説明しろ！！
どうしてオマエが居ながらこうなった！？」

真一郎「ワカ...ごめん」


若狭「謝って雪が返ってくンのか！？
オレは説明しろって言ってンだよ！！」




ワカは真一郎の顔を殴った
その衝撃で真一郎が倒れる

その光景を見ていたエマが怯えて、じいちゃんの後に隠れた
マイキーは、ギュッと更に強く拳を握った


それを見兼ねたじいちゃんが2人に近付いていき
ワカの肩に手を置いた




爺「若狭、やめるんだ。子供が見ている
身内のお前が1番辛いのはわかっておる」

若狭「爺さん...」





それに続くようにマイキーが言った




万次郎「ワカ...ごめん
こうなったのは全部オレのせいなんだっ」

若狭「は？」



万次郎「強盗に入ったの...場地と一虎で
オレのチームの奴なんだ
アイツら、オレがバブ乗りてぇって言ってたから
誕生日プレゼントあげる為にシンイチローの店に
盗みに入って...
オレ、一虎達にわざとシンイチローの事話さなかったんだ
黒龍ぶっ潰すって話になってオレの兄貴が初代黒龍総長だって
知ったらアイツらの足枷になると思って...！

店やってるって事もオレがちゃんと話してたら
アイツらも強盗なんてしなかった！！
ユキが傷付くことだってなかった！！
オレ、自分が許せねぇよ...
場地と一虎も許せねぇ...っ
シンイチローを殺そうとして、庇ったユキが
こんな目に合って...
ごめん、ワカ...オレっ謝ることしか出来ねぇ！！」





若狭「...オマエは何も悪くねェだろ
場地と一虎ってガキがしたことだろ」

万次郎「けどオレは...」


若狭「ワリィな、大人気なかったワ
子供にそんな事言わせるなんて雪に怒られちまう」

万次郎「...」





ワカは万次郎から真一郎へ視線を移す



若狭「ごめん、真ちゃん
オレ、甘えてた
真ちゃんを殴ったって仕方ねぇのに」

真一郎「仕方ねぇよ
オレだって同じ立場なら同じ事してた」



若狭「...少し話そうぜ、外行くか」

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