東卍の白豹Part2

78話:夜ご飯 ページ32

.



雪は早々に真一郎から夜ご飯のリクエストを聞くと
買い出しに行った
冷蔵庫を見たらロクに中身が入ってなくて呆れ返ったのは
言うまでもない

買い出しから帰ってくると、夜ご飯の為に材料を下拵えをして
それからお店の手伝いをし始めた


そうして、頃合いを見て2階の居住スペースに向かった





夕方の6時、調理開始だ


唐揚げが食べたいとリクエストされた
他のおかずは私に任せると言うので自由に作らせてもらう



唐揚げは出来たてを食べて欲しいから最後に回した

雪は、ポテトサラダと味噌汁を作り出した


ポテトサラダは、食べ応えがある様に
芋の形を少し残して潰して作り、冷蔵庫へ

味噌汁は、最初スープを作るかで迷ったが
夏場なので塩分補給の為に味噌汁にした
卵スープは今度作ろう
シンプルに、わかめと油揚げの味噌汁にした



そうして次は唐揚げを作っていく
油を張った鍋に鶏肉を入れていくと、ジュウッといい音がした
少し買い過ぎたかな？と思いつつ、兄よりは食うだろうと
思いながら揚げていく

甘酢とかタルタルも後で準備するか、なんて考える


出来上がった唐揚げをトレーに移して
また第二弾目を揚げる





料理をする手は止めず、ボーッと考えた


『(こうやってご飯作ってあげれるの...
あと何回なンだろうナ)』



油を取り扱っていて暑い筈なのに少し寒さを感じた


するとその時、ドアが開いて真一郎が入ってきた





真一郎「お！美味そうな匂いする！もう出来た？」

『お疲れさま、整備終わったの？』

真一郎「いや？まだだけど腹減ったから一旦休憩
おー、美味そうだな！」



揚げたての唐揚げに手が伸びてきたので
その手を菜箸で軽く叩いてやる


『コラ、つまみ食い禁止
それとちゃんと手洗って』

真一郎「...ケチ」

『ケチじゃない、大人でしょ？そンな顔しないの
もー少し待っててよ、持ってくから』

真一郎「手伝える事あるか？
流石に作って貰ってばっかのは悪ぃだろ」

『じゃあこっち手離せないから他のものよそって貰える？
ポテトサラダは冷蔵庫あるから
あとはご飯と味噌汁』

真一郎「わかった！
あー、食ってねぇけど美味いってわかる」

『...褒めすぎ、ばか』





雪は少し赤くなった頬を隠すように顔を背けた
その間も真一郎は屈託なく笑うものだから
それがなんだか少しむず痒かった

79話:夜ご飯2→←77話:逃げてきた理由3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す