一羽の飛べない雛烏

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「あの、鈴鳴さん」


わいわいとしていると、影山くんに声をかけられる。



「さっき足怪我してるからスパイクは打てない、だから俺にはあげないでくれって言ってましたけど、いつなら上げられますか！次の合宿はいけますか！？」



あ、そうだ、そんなこと言ったんだった。



...

..

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《あ、影山くん、俺脚怪我しててスパイク打てないから、申し訳ないんだけど上げないでね》

《あ、うっす！》



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..

...


どうしよう。うーんと頭をかいて、影山くんたちの方を向き直る。


『…ごめんね、影山くん。俺、もうスパイク打てないんだ』


ははっと軽く笑って、首を傾ける。

それに2、3年生は顔をそらして、1年生組はえ？という顔をした。


「どういうことですか？」


『俺、中学生の時に足怪我してさ、それ以来右足があんまり曲がんないんだよ。強いスパイク打とうにも、上半身はいいけど右足がうまく曲がらないからバランスが取れないんだ』



だから、もう打てない。

最後にそう付け足すと、固まったまま動かなくなってしまった。


もっとさっさというべきだった。
他の奴らにはともかく仲間に言わないなんてどうなんだ。



…ちょっと暗い話をしてしまったか。ごめん、と口に出そうとしたとき。



「…それでも、いつかあなたにトスを上げます！」

バッと顔を上げてなんでもないように言い放つ。


そんな姿にふっと顔がほころぶ。




『…頼もしいなぁ』

でも、もう飛べないんだよ。なんて言葉を飲み込んで、進むように促す。



次の合宿でも練習でも、大会でも。


俺はもう、飛べない。

打てない。

ごめんな、期待してくれてんのに。







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作者です、なんかそれっぽいこと言ってますが全く知識がありません

次から夏の合宿ですね、色々ぶっ飛ばして全力で音駒と梟谷絡ませに行くのでよろしくお願いします

主の過去も乗せるつもりです、月島たちの本来の流れは省略させるかもしれませんすみません

多分というか絶対長くなります

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