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そう言うと、理解はしたけど納得はしてない、という目で見られる。
「……」
『大丈夫だよ、バレーは続けるから!
次会うときは全国大会でな!』
精一杯笑って、もちろん、容赦はしないけど、と付け加えれば、一瞬目を見開いてから
「当たり前だろ」
と返される。どうやら納得したらしい。
絶対また会いに行く。もっと強くなってから。
臣と話してから、俺は宮城の高校を探した。
ふと、ある高校が目にとまる。
烏野高校
昔、烏養監督がコーチを務め、あの小さな巨人がいた学校。
そこに興味が引かれて、受験することを決めた。叔父の家からも近かったのでちょうどよかった。
学力的にあまり問題はなかったから、ギリギリまでバレーをして、最後の追い込みだけして受けた。
結果は合格。二人は自分のことのように喜んでくれた。もちろん臣と元也も合格していた。
卒業式のあとすぐ宮城に引っ越した。
登下校の道覚えないとな。マップを見ながら烏野高校まで行ってみるか。
向こうは桜が咲いていたけど、こっちはまだ蕾のままだった。まだまだ寒くて、ポケットに手を突っ込んでノロノロと歩く。
ブロックに力を入れてから、自然にスパイクのことは頭から離れていった。
いや、多分意識的に考えないようにしている。考えたら、また跳びたくなってしまうから。
別にあのとき子供を助けたことに後悔はない。今あのときのようなことが起こっても、俺は迷わず、考える間もなく飛び出す自信がある。
たぶんそれは俺の本能と言っても過言ではないと思う。
だからいいんだ、諦めたんだ。あの子が元気ならそれでいいし、跳べないならもうそれでいい。
そうやって気が付かないうちに押し込んでいたんだろうな、と気づくのはまだ先の話である。
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なんか微妙な終わり方だけどここまで過去編でした
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あなくま(プロフ) - あっびーさん» ありがとうございます!気まぐれ更新ではありますが頑張ります!澤村さん直してきますすみません (7月3日 6時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
あっびー - コメン卜失礼します!話とてもおもしろかったです!がんばってください!あと澤村が沢村になっていました (7月2日 15時) (レス) @page5 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - 怜央さん» ほんとですね…教えていただきありがとうございます!実は前にも消えちゃってたのでまた同じようなことがあるかもしれません…気をつけます! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - コメント失礼します!36話が消えちゃってますよ〜! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - ありがとうございます!できるだけ早く更新できるように頑張ります! (2022年10月13日 16時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あなくま | 作成日時:2022年9月24日 14時