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彼が手紙を先に抜いていてくれたおかげで呑気に終えたと思っていたからよく眠れていたけど、昨日の出来事のせいかアラームより先に目が覚めてしまった。
真っ暗な部屋で些細なことで目を覚ましてしまう自分が嫌になる。
寝た時とは違う体制で彼の顔は見えないけど起きているのが優しくぽんぽんと叩かれている身体でわかる。
(疲れないのかな...)
起きてくれているという安心感で眠気が再びすぐに襲ってきた。
このまま寝てしまえば彼に目を覚ました事を気付かれずに寝ていた事に出来るけど、どうしても顔が見たくなってしまった。
寝返りをうつとすぐに大きな手は髪を撫でてくれる。
「センラ」
「なーに」
目は閉じたまま彼の名前を呼ぶと小さな声で返事をしてくれた。
それだけで十分で、眠気が勝って言葉が出てこない。
おやすみと頬に落ちてきたキスの後、目が覚めたら朝だった。
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あれから彼は毎日会社に迎えに来てくれて、手紙は社内郵便と家に届き続けた。
彼が迎えに来てくれるようになってからは僕がいるのになんであいつと一緒に帰るんだとか、今日は僕の為に巻き髪をしていて可愛かったとか、早く僕の家に引っ越しておいでという様々な内容だった。
みんなが遊びに来た日、あれからストーカーは大丈夫かと帰宅してすぐ囲まれ心配そうな顔を一斉に向けられてしまった。
さかたんにいつもごめんねと言うと何で謝るん?Aちゃん何も悪いことしてないやん、ときょとんとした顔をされてしまった。
うらたんやまーしぃも出来ることがあればすぐに言ってくれと息をまいてくれた。
何も考えず久しぶりに賑やかに過ごしているとインターホンが鳴った。
突然の事にみんなの顔が強ばる。
「何か頼んだの?」
「いや、、、?Aちゃんちゃうの?」
でもその反応は違うみたいやな、と彼はとりあえずインターホンの呼び掛けに応えると宅配らしく制服を着たお兄さんが画面越しにいた。
「センラが出た方がええよ」
待ってな、とさかたんはすぐに魔法陣を描き玄関で鳴ったインターホンに彼が対応してくれた。
荷物なんて何も頼んでないしなんだろう、本当に宅配の人なのかなとドキドキしているとまーしぃが大丈夫やでと声をかけてくれる。
「何かあっても三人いるから」
大概のことは何とかできるとうらたんがリビングのドアを眺めながら言う。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時