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「わかった。行く。行くから30分くれ」
「、、、30分後に迎えに来るからな」
着替えも済ませておけよとうらたんは渋々みんなを引き連れてリビングを出た。
「センラ?」
「寝室行こう」
なんで?と思うけど彼の顔を見たら従うしかない。
抱えあげられ大人しく抱きつくとベッドにゆっくりと寝かされた。
「夜おらへんねんで」
「うん?そうみたいだね」
「さみしくないん?」
「んー、、、家だし大丈夫かなぁ。センラも付き合いがあるでしょ」
嘘。
本当はさみしい。
この間のようにホテルじゃないから大丈夫かなと思う気持ちと今日寝れるかなという不安がある。
寝れるかなという不安がほぼ占めてるけど、、、あんなに行こうと誘われてる彼を見たら引き止められなくなってしまった。
「俺はさみしい。無理。死ぬ」
「大袈裟」
いやや、と寝転んだ私に覆い被さる彼が首筋に顔を埋める。
行きたくないと小さく呟く彼の頭を撫でると甘えるように顔が寄せられた。
(やっぱり行って欲しくないかも)
でも今更言えない。
さっきのみんなの顔を思い浮かべると、ここは我慢しないといけないと引き止めようとする言葉が出そうになるのを我慢した。
「Aちゃん」
「なに、っ、、」
最初から熱っぽいキスに彼の背中に腕を回してさみしさを誤魔化そうとした。
重くならないように気をつかってくれてるのか、いつも彼は私に覆い被さってもそこまで重みを感じない。
キスがさみしいと零す彼の言葉の代わりのような気もする。
「離れたくないなぁ」
息の整わない私に彼はさみしそうに目を細めるから何も言えなくなってしまう。
今口を開けば、行かないでと言ってしまいそうで怖い。
「ちゃんと暖かくして寝るんやで」
「うん。待ってる」
ご飯もちゃんと食べて、と髪にまでキスが降ってきてくすぐったい。
たった一日なのに私の心配しかしない彼が愛しい。
「センラ、」
いつの間にか服を捲り上げられていた様で、胸元をキツく吸われる感覚がした。
「薄くなってた」
身体を重ねる度に痕を残すから、あの日から私の身体から痕が消えた事が無い。
行かないでという言葉の代わりに私も彼の肌に唇を寄せると何をしたのかわかった彼は嬉しいと笑ってくれた。
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この時に引き止めればよかった。
もっとわがままを言ってという彼に甘えれば良かった。
そしたらきっと、彼は行かないでくれた。
仕方ないなと呆れられても、いつも通り一緒に眠れたのに。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時