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「ねぇ、もういい?」
開け終わった筈なのに、誰も何も言わない所か物音すらしなくなって彼のため息が聞こえた時に自分から声をかけた。
「このまま捨てたい」
「それじゃAちゃん気になって仕方ねーだろ」
嫌やけどええよと言う彼の声に覆っていた手を外して目に入ったのは、雑誌だった。
「CMでよく見るやつだね、、、」
天月さんがいつもとは違う困った様な笑顔でこちらを見る。
俺も見たことがあるとうらたんが口を開くと、俺も、僕もとみんなこの雑誌がなんの為の雑誌か知っているようだった。
天月さんがCMでよく見ると言った雑誌。
もちろん私もCMで見たからという理由以外に女の子の憧れの雑誌でもあるこれを知らないわけが無かった。
結婚情報誌。
表紙には「先輩花嫁から聞いた間違えない式場選び」と様々なタイトルが連なっている。
「明日、ドレス選びの予約をしたから来いって書いてあるけどどうするん?」
まーしぃが同封されていた手紙を読んで私を見上げた。
「行かへんのはもちろんやと思うねんけど、これってこいつは来るんかな?」
来るならそこで捕まえてしまえばいいんじゃないかとまーしぃは続ける。
「俺か坂田がAちゃんに変身して行けばAちゃんは無事だしね」
その手があったかとさかたんは目を輝かせている。
話を聞いているだけで口を開かない彼は、ずっと難しそうな顔。
「来なかった時がなぁ」
「こいつがけーへんくて、Aちゃんが来てくれたと思われた方がヤバない?」
どっかで見てるだけやったらこっちから手は出されへんとうらたんとようやく口を開いた彼は天月さんの作戦に否定的だった。
「後をつけて写真だけ撮ってくような奴やで。ここに来るとは思われへん」
それはそうかも、とみんなも頷き始めた。
「わかった。俺らが行くのは?」
うらたんがさかたん、まーしぃを指さして3人で様子見に行くと言う。
姿も見えるわけないし会社にも今まで行ってるから社内の人間だったら分かるし、多分見た後に探せると胸を張った。
「どうする?」
「それでお願いしようかな」
この場に行くという選択肢は勿論無い。
彼が俺も行こうかなと言うのを引き止めてしまった。
彼には傍にいて欲しい。
それを聞いて彼は大丈夫、一緒に居ると手を握ってくれた。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時