236:センラside ページ15
何となく、中身は見せない方がいい様な気がしてAちゃんを先にお風呂に入らせて確認しようと開けてみた。
(こいつ、、、)
前に送られてきた時より小さなダンボールに入っていたのは、真っ白な下着だった。
ご丁寧にいつもとは違う便箋に初めての夜はこれを着ておいてほしいという手紙付き。
女性物の下着屋に入るのは勇気がいったけどAちゃんに似合うと思ったとも書かれていた。
飛躍した思考と送られてきた物に寒気がする。
Aちゃんの事を考えながら選んだと思うと虫唾が走る。
そういう事をするつもりでいる事にも。
ここ最近のこいつの手紙や荷物は過激な内容が多くてどうしたもんかなと悩む。
完全に自分の彼女だと思っているらしい。
迎えには行っているから帰りは心配ないにしろ朝もやっぱり心配だなとAちゃんに見つからないよう手紙を細かく破り捨てた。
「どうしたん?」
「これ、下に捨ててきてくれへん?」
坂田を呼び出して前に捨てた場所に捨ててきて欲しいと頼むとまた送られてきたん?と同じ様に苦い顔をしていた。
「げ!なんやねんこいつ」
中を見た坂田はそろそろやばいんちゃうの、と心配そうに眉を下げている。
「帰りは俺が迎えに行ってるから何も無いと思うけど、やっぱり朝が心配なんよな」
「あ、それは大丈夫」
あっさりと大丈夫と言い切る坂田に何でそんなこと言えるんだと少しキツく当たってしまった。
「俺とうらたさんとまーしーが交代で気付かれない様に見送ってる」
だから大丈夫と坂田は自慢げに言うのに、そんなことしてくれてたのかとさっきまでの自分の態度を反省した。
「そうなん、、、?それはありがとう」
「僕らだって心配してるねん。何かあったら嫌やんか」
センラの為でもあるからなー、といつもなら交わすことも無い会話に何となく照れるけどそこまで考えてくれてたのかと嬉しさも隠せない。
「きしょ。何笑ってんねん」
「笑ってへんわ。はよ捨ててきてくれや」
人に頼む態度ちゃう、と小言を漏らしながらもじゃあねとしっかり頼んだ荷物を持って坂田は消えた。
俺の言葉を素直に信じて料理を作ってくれている背中を見て何とも言えない気持ちになる。
二人分の夜ご飯を作ってくれている身体を抱き締めると、離したくなくなってしまった。
あんな奴に絶対渡さない。
甘えて埋めた髪からは、同じシャンプーの匂いがしていくらか安心させてくれた。
今の俺は、この子がいないと生きていけない。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時