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週末はあんなに夢みたいに楽しかったのに。
「これ何?」
「さぁ、、、?」
「さぁって、自分で頼んだんじゃないの?」
まさか忘れた?と隣で同僚が笑う。
でもそういう事にしておかないとおかしい。
昼の社内郵便で届いた、自分宛の荷物。
頼んでなんかいない。
あ、そういえばだいぶ前に頼んだやつかもと作り笑いをして隠す様にデスクの空いている引き出しに押し込んだ。
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「あれ、、?センラが見てくれたの?」
「うん。しょーもない中身やったわ」
「何だったの?」
「んー?また服やったで」
帰宅してすぐ、彼は抱えた荷物を見てまさかと顔を歪めた。
送られてきてまだ開けていないと言うと、とりあえずお風呂に入っておいでと半ば無理矢理押し込まれ上がると送られてきたはずの荷物はどこにも無かった。
本当に服だったのと聞く勇気も無くて、彼がそう言うんだしそういう事にしておこうとご飯を作り始める。
「どうしたの?」
「何もない。作りにくい?」
あかん?と包丁を使い終わりフランパンを出した頃、彼が背中で甘え始めた。
首筋に当たる髪が少しくすぐったい。
何を言うわけでもなく、首筋に顔を埋めたままお腹に緩く腕を回されている。
「センラ?出来たよ?」
「んー...」
お皿に盛り付けも終わって、後は運ぶだけなのに彼が離してくれないから動くことが出来ない。
ぼんやりとした返事に心配になって回された腕を掴んでも、もうちょっと。と、動く様子がない。
「何かあった?」
「何も。甘えたいだけ」
さっきの荷物がそうさせてるのかなと心配になる。
振り向こうと顔を少し動かしても彼の顔を見ることが出来ない。
「早くご飯食べたい?」
「食べたいって言うより、センラの顔がみたい」
「、、、ちゅーしたら動ける」
あ、冗談は言える元気はあるのかと少し拍子抜けしてしまう。
「顔上げてくれないと出来ないね?」
すぐに肩から顔が上がって、はやくと急かす顔はいつもと変わりない彼で余計な心配だったかなと騙された気持ちで背伸びをしてキスをした。
「そういえば、もうすぐお盆休みでいつもより長くお休みがあるよ」
「え!ほんま?!」
やったー!と寝る前にベッドの中で忘れてた、と彼に告げると寝る前のテンションとは思えない高さで喜んでいる。
「風邪ひいた時より長いん?」
嬉しい、とはしゃぐ彼が可愛い。
さっき元気が無いように思えたのはやっぱり気の所為だったかなぁと安心して目を閉じた。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時