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「酔っ払ったフリはどうでしょうか」

「、、、え?」

突然提案された案に驚いて思わず間抜けな顔をしてしまったような気がする。

(酔っ払ったフリ?私が?)

「私がですか?」

「はい。いつもの流れだと二次会の参加も絶対になってしまうので」

「酔っ払ったから帰るというのはいつも無理だと聞いて貰えませんが、、、」

その手はみんなもう使ったことがあるんだけど知らないんだろうなと小さな声になってしまった。

「それは存じ上げています。だから酔っ払っているから僕が送っていくと言って無理に送っていけば責められるのは僕ですよ」

(送っていく、、、?)

何言ってるんだろうと黙り込んでしまった私に高瀬さんは止まらない。

「もちろん僕は二次会に途中から参加しますから、その場でうまく言えば会社で責められることもありません」

どうですか?と何故だか必死な声になんて答えていいかわからなくなってしまう。
送っていくとはどういう意味だとかまさか本当に送っていくつもりなんだろうかとかとにかく送っていくという言葉に囚われて酔いも回っているからか頭が回らない。

「もちろん、家の前までタクシーで向かいますので、、、」

問題はそこじゃないんだけどな、どうやって断ろうと考えていると襖が開いて気分が悪そうな同僚が顔を出した。

「私より大変そうな女性陣は沢山いるので、大丈夫ですよ。お心遣いありがとうございます」

とりあえずこれで大丈夫だろうと会釈をしてふらふらとしている同僚の元に向かい大丈夫?と声をかけるとやばいかも、と辛そうな顔をしている。
代わりに私が行くねとビール瓶を受け取り彼女が座っていた席に向かうと私が座っていた席よりも地獄だった。

酔っ払ったら何をしてもいいと思っているような上司たちの無礼講という言葉が一番怖い。
盛り上がる上司に若手の社員が逆らえるわけはなく女性陣が酷い目にあっていても上司の太鼓持ちをして助けてくれる様子は無い。

度々目が合う女子社員たちの思いは皆一緒なんだろう、話したことの無い別の課の女性とした目配せしかこの飲み会を乗り切る励みにならなかった。

(センラ何してるかな)

酔っ払っても彼は甘えてくるだけなのにな、と回された手をうまく引き剥がしながら家で待っている彼の顔を思い浮かべる。

(酔っ払っちゃった?寝てええよ)

私の酔いが回るといつもそうやってあやすように寝かしつけてくれる彼はいない。
しっかりしなくてはと気を張りながら時間が過ぎるのを願った。

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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , センラ   
作品ジャンル:恋愛
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます!やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます!笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです! 坂田くんver.気になって仕方ありません!! これからも頑張ってください! 応援してます! (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます!どちらも読んで頂けて嬉しいです( ;__; )今後もよろしくお願いします! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月19日 6時

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