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「ただいま！」
慌ただしく玄関を開けるといつもの様に彼が走ってくるのがわかる。
鍵を置いてヒールを脱ぐとすぐに視界は真っ暗になった。
「さみしかった」
ぎゅー、と優しいけど強い力で背中を覆うように抱き締められ、私の髪に埋めた唇からは拗ねたような声色が聞こえた。
「うん、ごめんね」
いいよ、と言っているみたいに、もう1度強く抱き締められる。
(帰ってきた...)
鞄を持っていた手の力が抜ける。
鞄を落として私も背中に腕を回すとびっくりしたのか彼の私を抱き締める力が少し弱くなった。
離して欲しくなくて背中に回した腕に力を入れると抱き締め返してくれた。
(やばい、)
鼻の奥がツンとする。
目の奥も熱い。
唇を噛み締めてもやってくる感覚を我慢出来ない。
嫌な事が沢山あった。
でも、今はもう嫌なことなんてここにはない。
あるのは、彼の素直な可愛いわがままだけだ。
(泣く、、、)
帰ってきた安心感で止められなくなった私の気持ちは彼の腕の中で涙に変わっていった。
ぐすぐすと鼻を鳴らす私に驚いたのか肩を掴まれて身体を離されそうになったけど泣いた顔を見られたくなくて背中に回す腕に力が入る。
彼も諦めたのか腰に回した反対の手で背中を撫でてくれる。
優しく背中を撫でる少し冷たい彼の手に安心した私は涙が止まらなくなってしまった。
嗚咽のようになる呼吸を必死に我慢する。
慌てているのか彼の手は背中を撫でたり頭を撫でてみたりと忙しなく動いている。
(早く泣き止まないと...)
頭では分かっているのに1度泣いてしまうと止められない。
早くいつも通りにしないと。
どうしていいかわからずにきっと困ってる、早く。
早く泣き止まないと。
涙を止めることだけに集中して少し落ち着いて涙を拭こうと身体を離すと彼に両手で挟まれ顔を上げさせられた。
「！」
ぽろぼろと泣く私にびっくりしたようで慌てて親指で涙を拭ってくれている。
困ったように下がった眉と口角に、心配をかけてはいけないと思うけど帰ってきてやっと彼の顔をきちんと確認出来たことに安心してまた涙の粒が頬を流れるのがわかる。
指で次々と溢れる涙を拭って、どうしたらいいかわからないと慌てる彼を見てやっと落ち着いてきた。
スーツの袖で思いっきり両目を拭う。
化粧が落ちてボロボロになってるんだろうな、と思えるくらいには落ち着けていた。
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おかゆ*(プロフ) - 番外編ありがとうございます！小センラさん大好きだったので悶えました……無理しない程度に頑張ってください (2019年10月9日 12時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - 言葉喋るショタより何も喋らずに言葉理解してなかったり仕草で感情表現するショタの方が天使よな。まぁつまり神ってことよ。何のご褒美ですか。平日の夜中4時ににやけながらこれ読むってただの変態なんですけど。 (2019年6月6日 4時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - あのんさん» ありがとうございます！コメント頂けると励みになります(;o;)これからも楽しんで頂けると嬉しいです！ (2019年5月26日 20時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - とても好きです！！読む度癒やされてます！ (2019年5月26日 20時) (レス) id: 2726eacb2c (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - あーりんさん» 全然！！気長に待ってます！！ (2019年5月22日 0時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年5月17日 21時
