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問題 ページ46

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『……先生、そう言えば私はなんでここに連れてこられたんですか?』






道端の壁に背を預けながら、私は隣にしゃがんでいる五条先生に向けて問いかける。


あの後、悠仁と野薔薇ちゃん達は先生に言われ建物内の呪いを祓いに行った。

わざわざ都心に集められたのも、二人の実力を試す「実地試験」のため。

結局端からこの人には、東京観光をさせるつもりなんて一切なかったということだ。


……けれど、気になるのは私のこと。そもそも一年生の実地試験のためになぜ私が呼ばれたのか。

伏黒くんは病み上がりだから無理をさせられないという理由は別として、私がここに来る必要はなかったように思う。






「Aにはまず、こういう場に慣れて欲しいんだよね」


『……慣れる、ですか』






……私はつい昨日まで、呪いも見えないようなごく普通の人間だった。

それが突然呪力を持ち、見えないものを視認できるようになってしまったことはたぶん、呪術界においてもかなりレアケースなんだろう。


加えて私には悠仁みたく優れた運動能力が備わっているわけでもないし、もちろん呪術に関する経験もない。

だから先生は、私により慎重に呪いに関わることを進めているのだ。






「君には呪いの王とまで呼ばれたあの宿儺の呪力が備わっている。それも、呪力量だけで見たら並の呪術師の比じゃない」






先生はおもむろに立ち上がると、私の胸骨の辺りに自らの人差し指をトンッと置く。

突然のことに驚き私が顔を上げれば、黒色の目隠しがこちらをじっと見つめている。






「もし君がそれを使いこなせるようになれば、上は真っ先に君を殺しにくるだろう」


『じゃあ私は、権力に押し潰されて死ぬことになると?』


「そうならないためにも、君には力を付けてもらわないとね」






それだけ言うと、先生は私から指を離すと今度は伏黒くんの方へ向き直るようにして閉じていた口を開いた。






「さて、ここで恵にクエスチョン。彼女は一体何級でしょうか!」







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いか焼き - 好きです!!! 最高すぎます、、、応援してます!今から2を読んできます!楽しみすぎる…! (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです!!応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです!知らせていただき助かりました! (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます!ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします!間違えてたら申し訳ないです! (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月22日 17時

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