深海のヒヤシンス【影山飛雄】 (ページ37)

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「Aちゃん、ちょっといいかな？」

洗い終えたタオルを畳んでいた時だった。

『き、潔子さん！今行きまっす！！』

これでもか！というスピードでタオルを畳み、愛しの潔子さんの元へ。

「そんなに焦らなくて良いのに」

ふふっと笑う彼女に心臓を抉られる。可愛い。綺麗。いい匂い。女神。

「あ、それでね少し手伝って欲しい事があるの」

『喜んでお手伝いさせて頂きます！！』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿と、言ったものの…

『はぁーー……』

「お、古部！なーに朝から深いため息ついてんだ？
……って、なんだその手の絆創膏……指切断でも
したのか！？」

『したら今頃指ないわアホ日向』

昨日、あの後潔子さんに頼まれた仕事を一緒にしていたのだが、それがなかなかに酷なのだ。潔子さんと一緒に居るから我慢できたけど…。

『日向、女子力ってどっかに落ちてない？』

「なんで？」

『拾い物でも良いから欲しい』

本当に、潔子さんの苦笑しながらのフォローは逆に辛い。申し訳なさ過ぎて……。

「ふーん、何か女子力必要な事したわけ？」

『あー……うん』

「何したの？」

『教えない』

「なんで」

『なんでも』

流石にこれは言えない。あともうちょっと待っててね～。絶対お前ら驚くかんな。

『…で？その日向の手にあるグシャグシャの紙は？』

「あ、これ？……ふっふっふっスガさんに教えてもら
った暗号！！」

『暗号……？？あー、サインの事ね』

インターハイか……県内の強敵がどれ程のものなのか私は知らないけど、今の烏野は強いから、きっと大丈夫じゃないかな。

それに、とんでもないバレー馬鹿のコンビが居る。

『おーーーっし、私も負けてらんない！！
やってやんべ！！』

「どうした古部？」

「うるさい古部」

「女子捨てるな古部」

「どんまい古部」

クラスからボロくそに言われる私。何か想像していたクラス関係とは外れてきてる様な……

『てか、どんまいって言った奴誰だ。どういう
意味なんだコラ』

「「ありゃあ手遅れだ」」

今日も今日とて残念なヒロインでっす☆
……あ、こういう所ね成程了解。((