38話。 ページ7
我に帰った俺は
自分の意志に従って、行動を開始した。
「一松。今すぐに十四松を呼んできてくれ!」
「…クソ松が命令してんじゃねえよ!」
一松は根は優しい性格だ。
いつも言う事を聞いてくれないのに、
今回ばかりは聞いてくれた。
それ程、今の状況は危険ということ。
一松は運動が苦手ながらも、
十四松を呼びに走っていった。
「さて…。」
一瞬間だけ目をつぶり、事を考えた。
大勢の人数がいる中、彼女をどう助け出すか。
そんな時、ふと思いついたのは、
俺のたった一人の兄の存在だった。
小さい頃から追っかけてきた唯一の兄だから、
行動は殆ど見てきた方だ。
「もし兄貴だったら、どうするんだろうか…。」
事が膨らむごとにある作戦を思い浮かんだ。
こんな作戦、誰も思い浮かばないはずだ。
当の本人、兄貴にしか。
「I mean kind of thing.」
[つまりこう言うことだな]
俺は目を細くし、フッとだけ微笑んだ。
「はあっ…。」
殴られっぱなしだから、頭がガンガンと響く。
鉄の匂いから、血が出ていることも確認出来た。
何でこんなに殴られなきゃいけないんだ。
私は間違ってはいない!
意識が朦朧している中でも、
腕の中の儚い命はずっと抱き抱えていた。
死ぬもの狂いで。
自分の瞳から微かに見える相手の顔が、
憎たらしいほど笑顔だ。
殺したくなるほどうざったい。
「なあ、この女死んでんじゃね?」
はあ?失礼な。
死にたくもない、まだ少し気力あるから!
なんて、ふざけた事を心の中で考えながら、
来るはずのない助けをずっと願い続けた。
この願いさえ、途中分からなくなるほどの
衝撃を受けてでさえも。
「…っ!?」
急に苦しいほどの痛みに襲われた。
この感覚。何処かでしたことがある。
「(怖い怖い怖い怖いっ。)」
不安と孤独。そして、それらに勝るほどの恐怖。
そんな感情が自分自身を静かに蝕んでいく。
まるで、暗闇に閉じ込められた過去の自分と
連想しているかのようで、寒気がした。
昔の自分になんて戻りたく無い。
過去に戻ったりしたら…、
またあの哀しみを思い出してしまうことになるっ!
苦しみながら、腕の中の儚い命を手放してあげた。
お前だけは幸せになって欲しいという一心で。
その瞬間、一人の人間が私の手放した猫を抱き抱えていく所が目に映った。
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ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、俺のこと好きなの///?え、嬉しい///ありがとう///」もも『あれぇ?いつもなら結婚して!とか言うのにどーしたのかなぁ?あらら、耳が赤いけど?』お「うるせー!俺だってさぁ、真面目に考えるし///」 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» 可哀想だけど、ごめんおそ松!実はそういうところも好きなんだよね笑。とんだ茶番ですね笑笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、なんかお兄ちゃんの扱い酷くない!?依愛は優しい?けど…。お兄ちゃん寂しがってるよ?」もも『ごめん!ももまつさんはどーでもいいかなー!アハハハハハハハ』 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» そうなんですね笑。おそ松推しなんで凄く嬉しいです!頭にたんこぶをつけたおそ松が想像出来ちゃいますね笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)さん» 最初のところは私の小説のおそ松ですw私が殴っときました!(⌒∀⌒ )アハハハハハ (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。 | 作成日時:2017年1月16日 21時