48話。 ページ19
あれから数日の月日が経った。
今はあの花達に水やりをするが日課となっている。
いや、しないと落ち着かないと言った方が良いのだろうか。まるで依存しているようだ。
毎回のように水やりをやるせいか、
花の容態も直ぐにわかるようになった。
最近は、黄色の花が萎れてきているので心配だ。
「水やりし過ぎちゃった、かな?」
そう考えては上の空で廊下を歩いていると、突然背中にドンと言う衝撃がはしった。
五歳くらい男の子がぶつかって来たらしい。
「痛い…!うぅッ…!!」と言って
瞳を潤した子供が私を見つめた。
どうしよう、泣いちゃう!?
正直戸惑いを隠せなかった。
「こら!走っちゃだめでしょう!
……すみませんでした。」
この子の母親が私に何度も謝りぺこぺこと頭を下げた。子供は今にも泣きそうだった。
私は少し頬の筋肉を上げ、男のの前にしゃがむと、男の子の頭をポンポンと優しく叩いた。
大丈夫だから、泣かないでと言う気持ちを込めて。
母親はまた「今度から気をつけます。」とお辞儀しながら去っていく。母親の手を握った男の子の涙は引っ込んでいた。
「お姉ちゃん、またねッ!」と笑みをこちら向け、大振りに手を振る姿が目に映る。
私は胸元で小さく手で振り返した。
「沙織はほんとに相変わらずだな。」
そう言われたような気がして後ろを振り返った。
すると曲がり角から看護師が現れた。
「沙織さん〜。」
なんだ看護師か。もっと別の誰かな気がしたのに。
あれはもっと【低い】声だったような、ずっと見られていたような気がして、小さな不安が生まれた。
「先生がお呼びです…って、服がびしょ濡れじゃないですか!!今すぐ部屋で着替えましょう。」
先程の廊下の一件で手に持っていた缶ジュースが服に零れたのだろう。
看護師に強引に部屋に連れていかれた。
「早く思い出せよ…。」
そんな言葉を呟きながら、沙織を見つめていた主は姿を消した。
追記。
記憶喪失編の沙織について。
・普段とは違い、冷静で落ち着いている。
・あまり言葉を発さないのは人と話す不安から。
・花の世話が日課。
毎日二回は水を変えないと気が済まない。
・悪夢を見続けている。
大切なキーワードはカッターナイフです。
覚えていてね!!
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ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、俺のこと好きなの///?え、嬉しい///ありがとう///」もも『あれぇ?いつもなら結婚して!とか言うのにどーしたのかなぁ?あらら、耳が赤いけど?』お「うるせー!俺だってさぁ、真面目に考えるし///」 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» 可哀想だけど、ごめんおそ松!実はそういうところも好きなんだよね笑。とんだ茶番ですね笑笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、なんかお兄ちゃんの扱い酷くない!?依愛は優しい?けど…。お兄ちゃん寂しがってるよ?」もも『ごめん!ももまつさんはどーでもいいかなー!アハハハハハハハ』 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» そうなんですね笑。おそ松推しなんで凄く嬉しいです!頭にたんこぶをつけたおそ松が想像出来ちゃいますね笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)さん» 最初のところは私の小説のおそ松ですw私が殴っときました!(⌒∀⌒ )アハハハハハ (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。 | 作成日時:2017年1月16日 21時