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52、温度差がある ページ2

数回のコールで彼は出た。


「あ、あのっ、栗原だけど。あ、ごめん、忙しい?」


緊張して声の強弱がおかしくなる。
そんな私の緊張が伝わったのか、少し黙ったあと、彼が言った。


『…いや、今日部活休みだから……』


あ〜、休みなんだ……?


そっか、そうなんだ。
部活が休みの日でも連絡してくれなかったんだ……。


「えっと…、今なにしてたの?」

『……寝てた』

「あっ、もしかして起こしちゃった?ごめんね」

『いや、大丈夫だけど…』


……あぁ。
あぁぁぁぁぁ。

久しぶりだからか、また会話がぎこちない感じに戻っちゃってるよ。

これはダメだ。ダメな気がする。
直接会って話さなきゃ…。


「川島、これから行っていい?ちょっと会って話したいんだけど……」


突然だったのは自覚がある。
だけど、私が言った途端、それまで小さかった川島の声が突然大きくなった。



『や、ダメ!!』

だ、ダメ??


「ちょっとでいいんだけど…話したい」

『ダメだって!』

「予定があるの?」

『そうじゃないけど…』



……なにそれ。

それじゃあ、ただ単に会いたくないみたい…。



川島に会うのを拒否されてめちゃくちゃ哀しいはずなのに、何度頼んでも『ダメ』の一点張りの川島に段々私もムキになって来て。


「行くから!着いたら電話するから外に出て来てね!」

最後は川島の返事も聞かずに、半ば強引に電話を切った。




……どうなの。
これってアウトなんじゃない?
完全に私のひとり相撲だ。


バランスが悪いよ。

私が川島を想う気持ちと、川島が私を想ってくれる気持ちに
温度差があり過ぎる。


これは……危険。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時

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