第188話 ページ42
「もうちょっと......もうちょっとだからねっ.........焔魔堂くんは....絶対にっ....こんな所で死んじゃいけないんだから....」
ズブッ!
ドッ
治癒をしようとした林檎に攻撃が当たり倒れてしまった彼女。謝り、悔しそうにする。
「悔しい.....よ。焔魔堂......くん.....悔........」
顔を上げたろくろの前に広がっている光景は、有主達が倒れている姿が、光景が雛月と重なった。
「全くもってりりりりり理解しがたいことだっ殲滅以外の選択肢はないと何故わからんっ!?こここここれで今までの行動全てが無駄だったと証明されたワケだなああっ!!」
ゴウッッ!!!!!
「何度失えば気が済むんだ....何度取り溢せば気が付くんだ......」
「な.....何だ、この呪力の上昇はっ....」
もう呪力など底をついた筈のろくろが立ち上がり、さっきまでとは比べられないほどの呪力を放出する。
「(傷も完全に癒えたワケではない.....そもそも、こんな短時間で呪力が回復する筈が.....それなのに.....)」
「しいいぃいいらああぁみいいいぃぃいいいいいっ!!!!!」
「(奴の右腕から呪力が溢れ出してくるっ)」
グオッ!!
右腕を構え、攻撃を仕掛けようとするろくろ。
だが、その腕をつかみ止めに入った人物がいた土御門有馬だ。深度2007、ろくろ達の元についた有馬は、この後の戦いと治療のために結界をはった。
「まずは全員の傷の手当てだ。三十分もあれば完全に傷を癒やすことができるよ」
「─────!お.....お父さん......あ、あの......ゴゴメンなさい.....僕.......頑張ったんです......でも全然駄目で.......結局.....誰......も守れませんでした.....」
「全くだよ」
涙を流しながら謝る有主を座っているろくろの上に優しく落とす。しっかりキャッチするろくろ。怪我をしているところにあたり、小さく悲鳴をあげた。
「ろくろ君.......ありす君達を看ていてあげてくれ。その結界から出てはいけないよ?身の安全は......保障できないから......ね」
「つつつつつつつ土御門有馬っ.......!?」
ボウォォ!!
「流石に......おいたが過ぎ.....る。.....さあ、婆娑羅死のうか」
本物の有馬が札を構えたと同時に、各地にいる有馬も攻撃を開始していた。
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時