◇文化祭当日の予定 ページ9
真波山岳side
授業が終わって、お弁当を持って俺は三年生の教室に向かう。今日は湖羽さんとお弁当を食べることになっているんだ。
「(楽しみだな〜)」
教室に行くと湖羽さんは千歳先輩に呼ばれた。少しして戻ってきた先輩は、お弁当を持って、俺に「行こう?」と言う先輩。何気ない会話が嬉しくて、可愛いく見えてしまう湖羽さんと東堂さん達に挨拶して隣を歩いた。
──────────
食堂の一角。
『私達のクラスは喫茶をするんだ〜』
「楽しそうですね〜!」
『私、キッチンに入りたい.....!と思っていたんだけど、当日は接客係に(強制的)なったんだよね』
食堂について、端の席に座る。
二人がけの席でお弁当を開き、食べ始める先輩。
話の話題は、さっき決めた文化祭での話。喫茶店をするそうで、接客よりもキッチンに入りたいと言っている湖羽さん。確かに湖羽さんは、料理が得意だ。
『真波のクラスは、何やるの?』
「え〜と........何でしょうね〜?」
『......知らないんだね』
笑って誤魔化せば、溜め息を着いた後にダメだよーと眉を吊り上げて話し出した。
「いや〜、寝てて....」
『ちゃんと聞くとこ聞いてなきゃダメだよ。私も校長先生の長いお話は右から左に聞き流したりしてるけども.....』
「(先輩、聞き流してるんだ.....)」
文化祭があることは聞いたけど、クラスで何をやるかは聞いてなかったなぁ。
何やるんだっけ?
呆れた視線を受けながらも、「真波らしいねー」と言う先輩は眉を下げて優しい表情で微笑んだ。
『あ、文化祭、もう予定入れちゃった?』
「?特に決めてないですよ〜」
『ホント?なら、当日一緒に回りたいんだけど.....』
「え、いいんですか?」
『うん、ダメかな?』
「いえ、てっきり千歳先輩と回るのかな〜って思ってて......」
『あー.....、千歳は千歳で誘いたい人がいるんだって。(尽八も尽八で誘いたい奴がいるって言ってたなぁ)』
千歳先輩が誘いたい人って、東堂さんかな?そういえば、東堂さんも部室で「今回の文化祭では千歳を誘う!」と言っていたっけ。
「俺も先輩と回れるのは嬉しいです!」
『!良かった、私も嬉しいなぁ』
「ッ.....!」
すごく嬉しそうに微笑む先輩に俺も照れてしまった。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時