◇心当たりはないんですよね ページ44
真波が朝から登校したって事でクラスでちょっとした話題になっていたとその日の放課後棗から教えられた。授業中も大体寝てるのに起きてて、どこかボーッとしていたらしいのだ。まあ、全部そうだった訳じゃなくて寝ていた教科もあったそうなのだ。
「湖羽が朝、あの遅刻魔と学校に来た時は驚いたぞ」
『私もだよ、家出でて暫くしたら見覚えのあるアホ毛を見つけて.....』
「美園チャン早ェから真波の奴それより早く来たってことかァ」
「そんなに早く起きれるなら練習にも遅刻して来ないのではないか！」
「山登ったりしてたら結局は、遅刻するんじゃない？」
「「あ、ああ......」」
結構真波が早く起きたって、山でプラマイゼロと言う結論にいたり、遅刻はまだまだするということが分かる。
私もこれからも真波は遅刻すると思うんだよねぇ。
あれは治らない。
「珍しいね、真波君」
『珍しいって言うか.....なんか、気になる事があるのかなって思うんだよね.....』
「気になる事？」
『そう、なんか......』
今日の朝、遅刻しないで登校した事もだけど......登校中チラッと真波を見ればいつもよりも表情も固かったし、何かと私の事を気にしてた。
悩み事？
部活で何かあったとか？
でも、部内でのレースも勝ってたって尽八が教えてくれたし、真波自身も「山登ったんですよ〜！」と嬉しそうに報告してくれた事がたくさんある。勉強した小テストでいい点数がとれた時も報告してくれるし、真波の教科担任の先生に御礼言われるし......。私は真波のお母さんではなくて、彼女なんですけどねーと数回思った。進級や真波の好きな山が登れなくなるような事にならないように勉強は教えるが、遅刻癖は直さないし、真波の自由なのでそこは何も言わないでいる。
『私、無意識になんかしちゃった.....かな....？』
「「「それはないだろう／でしょ／ダロウヨォ」」」
『そうかなー』
「無意識にやらかしてても湖羽なら勘ですぐにどうにかしそうじゃん」
桜良の言葉に尽八も荒北も頷いた。
そんな、翔陽や木兎達単細胞組みたいに野生の勘があると思われてるの？私、そんな特殊な力持ってるの？←持ってますby.西谷
「(真波がそうなっている理由に少し心当たりがあるのだが.....)」
「(俺もダヨ)」
「(私もあるよ。湖羽関係なら尚更ね)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年12月25日 19時
