【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VII【男主】

再び始動 ページ3

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空気が、悪い。絶妙に緊迫していて呼吸がし辛い。全員の視線を一身に受けて、東峰先輩も居心地が少し悪そうだった。


いつも賑やかな部活な分、こう静かになってしまうと自分も居心地が悪い。なんとかこの状況を打破しようと、近くにいた菅原先輩の背中を東峰先輩の方へ片手で突き飛ばした。



菅原「！？」


貴「…アップ。一人じゃできないでしょ。」


菅原「…！」



いきなり突き飛ばされ目を見開いた菅原先輩だったが、僕の行動の意味を理解してかいつものように優しげにその目元を歪ませた。

そのまま東峰先輩へ話しかけに言った菅原先輩を確認して、次に澤村先輩の腕を一度軽く殴り、注意を引く。



澤村「いてっ、」


貴「ほら、僕らは試合の準備しましょう。このまま烏養コーチ達だけに準備をさせるわけにもいきませんし。」


烏養「おーい！他のビブスってどこに…ってお前ら！！ボーッと突っ立ってんじゃねぇよ準備しろや！！」


澤村「…そうだな。全員準備に戻れー！」


「「オース！」」



突然のことで驚いたのであろう澤村先輩は一度大きく肩を跳ねさせたが、僕が提案をすればすぐに我に帰ったようで、手を叩いてみんなに呼びかけた。


再び動き出した彼らを見た後、チラリと横目で東峰先輩の方を確認する。
荷物を置いて柔軟を始めていた東峰先輩と、一瞬だけ目があった。一拍置いてから、東峰先輩は困ったように眉を下げいつもの弱々しい笑みを浮かべた。



菅原「おいコラッ旭！！柔軟サボってただろ、めちゃ硬いぞ！！」


東峰「イッダダダダ！！ちょ、押す力強すぎだろお前っ…！！」


菅原「そんなことないない、ほら前はまだ伸びたぞ〜！」


東峰「イデデデデ！！！ギブ！ギブ！！スガ！！！」



しかし鬼畜な菅原先輩のお陰で一瞬で悲痛に歪められた東峰先輩の表情。部活が着々と賑やかになって失ったものが戻ってきている気がして、少しだけ嬉しかった。

改めて、おかえりなさい。東峰先輩。




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