ナイス後頭部 ページ6
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その先の日向のプレーはひどいものだった。田中のレシーブボールを横取りして衝突するし、スパイク飛ぼうとして助走のところで自分の足にもつれて転ぶし。
貴「レフト、」
影山「天野さん!!」
月島「っ!?天野さん危ない!!」
田中「日向下がれ!?」
時々僕の方に上がってくるトスを打ちに行けば、なんか着地地点に日向いるし。これは純粋になんで。
後から聞けば、ブロックフォローに行ったら必死過ぎて突っ込んできてしまったらしい。いやなんで。
月島が叫んでくれなければ足元に視線なんて寄越さなかったから間違いなく日向を踏んでいた。足などが重なった際、踏んだ方…今回でいえば僕の方が怪我をしやすい。直前で避けれた僕を称賛していいと思う。
タイムアウトでは影山の怒りが大爆発。なんとか田中と菅原先輩が二人係で押さえ込んでいた。澤村先輩が落ち込む日向を必死に慰めていて、みんなほとんど休んでない。タイムアウトを正しく使っているのは僕と月島だけである。
得点板が24対12になっている時、青葉城西に
影山「てめぇいい加減その緊張やめろォォ!!!」
菅原「いや別に日向好きで緊張してんじゃないだろ馬鹿か!?」
日向「まっ待ってくれまだチャンスをくれぇっ…!」
影山「ハァ!?」
ギャンギャン吠えまくっている影山の怒りもわかる。
正直言って、日向がずっと足を引っ張っているのだ。あの速攻もまだ使えていない、囮としての機能を全く果たしていない。
澤村「確実に一点ずつ返してこう!次のサーブは__」
澤村先輩も始終冷や汗を滲ませているが、その笑顔だけは崩さない。しかしそこで言葉を一旦区切った後、ついに表情を歪ませた。
24対13、一点でも落とせば1セット目が終わる。
そしてよりによって、こんな時に日向である。一周回って剛運なのではないか。
田中「影山!アイツ息止まってねぇか大丈夫か?」
影山「俺に言われてもわかんないっすよ!」
ガッチガチに固まった日向がエンドラインの向こう側に立つが、一切動かない。それは呼吸の心配もしたくなるレベルで。
次の瞬間ホイッスルがなった。頼むから入れ、とその場所を変わってやりたい気持ちを抱えながら前を見ていれば、
そのボールは綺麗に影山の後頭部へと吸い込まれていった。
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雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんこそ、こんなご時世ですのでお体にお気をつけてお過ごしください!お気遣いありがとうございます! (2022年6月14日 22時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 雨智よゐさん» 頑張ってください…!ただ、頑張りすぎて体調崩したりしないように頑張ってください(?) (2022年6月14日 6時) (レス) id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» 暖かい応援コメントありがとうございます…!!これからも皆様のもとに面白さが届けれるよう頑張ります…。続編もよろしくお願いします! (2022年6月14日 6時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます〜!🎉こんなに長々と書いてしまっている作品を未だ読み続けてくださりありがとうございます…。玲さんこそ!体調にはお気をつけてお過ごしください! (2022年6月14日 6時) (レス) @page49 id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしています!更新頑張ってください!! (2022年6月14日 5時) (レス) @page50 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨智よゐ | 作成日時:2022年4月23日 0時