【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VI【男主】

タイムアウト ページ14

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失点から始まった第二セットだったが、影山がトスの修正をしたおかげでその後は順調に均衡が保たれる試合となった。

主に、日向がすごいのだ。面白いほどにブロックがよく釣れる。



金田一「またクイックだろ！？来るとわかってたら怖くねえんだよ！！」


日向「なんだとおらぁあ！！」



今回も日向に釣られたブロック２枚。影山の手から放たれるトスは、既にレフトで待っている田中の方へ。



田中「待ってましたァァ！！！ごっつぁん！！！」



そう叫びながらきれいに打ち抜いた田中。

ブロックも日向もギョッとした表情をしていて、影山は楽しそうだ。おもちゃで遊んでいるような感覚なんだろうなと、少し羨ましく思う。


その次も日向は囮でライトの澤村先輩が打ち、その次は田中と見せかけて日向の速攻……。
そしてその攻撃を支えるレシーブとして、僕と澤村先輩。寸分の狂いもない正確なトスを出す影山。

なかなか敵に回したら厄介なチームだろうと自負する。自惚れるのは行けないが、褒められるレベルではあるんじゃないか。
………あと少し、絶対的な攻撃力と守備力が上がれば。それこそ、全国こそ夢でもないような。


そう少し浮き足立っていると、青城がタイムアウトをとった。
春だといえど、動いていると暑い。暑すぎる。襟を掴んでパタパタと揺らし、服の中に空気を送りながらベンチに移動した。



日向「あちぃーっ！！」


月島「はい飲む？あっごめん、顔の位置が思ったより低くって。」


日向「ぐぉぉ………！！！」



日向と話しているのに妙に楽しそうな月島の声が聞こえてそちらを向けば、日向の顔面にボトルを押し付けている月島が見えた。

いじめてやるなよ、日向を哀れに思っていれば、こちらに気が付いた月島がにっこりと笑って新しいボトルを掴む。



月島「天野さんも飲みま」


貴「ありがとう。」



さわやかな笑顔で僕の顔に向かってボトルを伸ばしてくる月島。どうせそんなことしてくると思ってたっての。

顔に当たる直前で片手で掴み防ぐ。…が、月島は未だにこにこ(額に青筋)としながらそのまま力を強めてぐいぐいと押してきた。いや力技。



月島「……。」


貴「……。」


澤村「おいこらそこ静かに喧嘩すんなっ！？」



僕も顔とボトルがこんにちわするのは嫌である。お互いに力を込めあって無言で睨み合っていれば、慌てて澤村先輩が割って入ってきた。

お互いすぐにパッと手を離した。彼を怒らせるのは賢いとはいえない。




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