頼れる先輩 ページ2
.
澤村「挨拶!!」
「「「お願いしぁーす!!!」」」
ボールが叩きつけられる音や、シューズの擦れる甲高い音に溢れた青城の第三体育館。学校は違えど、やはり音はいつも聞き慣れている暑苦しい音らしい。ボリュームの差はありすぎるけど。
日向「でっ…でかい…!体育館も人も…!!」
感嘆の声を漏らす日向の隣でこくこくと首を縦に振る僕。僕らが使ってるのは小さな第二体育館だけど、ここは第三体育館といえどメインといっても過言ではないくらいにでかい。強豪と言われた千鳥山もこれほどの広さはなかった。
そして背が高い人しかいない。所々に周りと比べ頭ひとつ低い人が数人いるが、その人たちは皆蛍光色のビブスを身につけている。おそらくリベロの人だろう。
ほへぇ、なんて間抜けな声を漏らしながら体育館を見ていれば、隣の田中が「お前らから見たら誰でもデカイだろ」と意地悪に笑ってきた。脛を蹴った。
……リベロ、というワードで思い出すのは、一作品前の話では全く登場しなかった故にタグ詐欺だと言われた(メタ)あの情熱変態四文字熟語Tシャツのチビのこと。
実を言ってしまえば、彼はもう学校に来ているのだ。
しかし部活は未だに参加禁止。そのため朝練がある僕とは時間が合わず、前のように一緒に登校することはできていない。
放課後も彼は何の用事があるのか足早に帰ってしまう為、もちろん部活がある僕は話すことすらできない。時折廊下で後ろ姿を見かけるが、気まずくてなかなか話しかけられない。…このまま戻って来なかったらどうしよう、なんて不安が拭えない毎日である。
澤村「守備も攻撃も全員の能力が平均して高いのが青葉城西だ。他校行ったらどこでもエース張れるような奴が揃ってるらしい。」
菅原「ブロック強力で有名だしな…。」
僕が不安な気持ちを抱えていれば、澤村先輩や菅原先輩は違う意味で不安そうな表情をした。
それを見た田中が目をぱちくりした後、自信満々に笑う。
田中「どうしたんすか二人とも〜!それ引っ掻き回すための日向じゃないですか〜!!なぁ!!…まぁ、お前が下手くそなのはわかってっからカバーは任せろ!」
かなり強い力で日向の背中を叩いた田中。日向は最初こそ緊張がぶり返して体が硬直していたが、後半の田中の発言を聞いてふっと力が抜けたように見えた。
予想以上すぎた日向の緊張が、一瞬にして解けたのだ。
……やるじゃん。
.
1660人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんこそ、こんなご時世ですのでお体にお気をつけてお過ごしください!お気遣いありがとうございます! (2022年6月14日 22時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 雨智よゐさん» 頑張ってください…!ただ、頑張りすぎて体調崩したりしないように頑張ってください(?) (2022年6月14日 6時) (レス) id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» 暖かい応援コメントありがとうございます…!!これからも皆様のもとに面白さが届けれるよう頑張ります…。続編もよろしくお願いします! (2022年6月14日 6時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます〜!🎉こんなに長々と書いてしまっている作品を未だ読み続けてくださりありがとうございます…。玲さんこそ!体調にはお気をつけてお過ごしください! (2022年6月14日 6時) (レス) @page49 id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしています!更新頑張ってください!! (2022年6月14日 5時) (レス) @page50 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨智よゐ | 作成日時:2022年4月23日 0時