【名前固定オリジナル】アカツノ【男主】

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スパーク少年は「剣の稽古をして家へ帰り」を３日間繰り返しているのだが、母と妹は帰ってこない。しかもいつも訪れてくるイッシ―が今日だけなぜか来ない。


(まさか行方不明になってたりしてね)とそわそわしながら少年は誰かが来るのを待っている。


どうしたんだろうと思いながら首をかしげると……



キャアアアアアアアアアア



女の気高い悲鳴が辺り一面響き渡った。


スパーク少年は外へ勢いよく出てみると、「イージス川」の傍に金髪の少女が指をさしている。みつあみをしている彼女は幼馴染のヴァルサで、奇病を負っている。その奇病は確か……。スパーク少年は覚えていないようだ。なぜなら最近関りがなかったから。


少女ヴァルサがわなわなと指を震わせ、何とも言えない顔をしていた。スパークは彼女が指さしている川を覗いてみると、赤く染まっているのだ。しかもよく見てみると、人がぷかぷか浮いている。麻布を着ていることから、全員スラム街の住人だろうと考えられる。


「誰がこんなことを……お前か？ お前がやったのか？」


ヴァルサの服の襟を握りながらスパークは怒鳴りつけたが、彼女は首を横に振るばかりで何も言わない。彼女が何も言わないということはやっていないのだろう。そう確信できる。


スパークはふと顔を上げて彼女の襟を下ろした。川の上には黒い服を着た人物が立っており、右手には血まみれの鋭い剣を握りしめている。先は削れていないが、脇はぼろぼろに削れている。


その時少年はそいつが犯人だと確信した。
そして思ったのだ。


スラム街の住人を殺した黒服め！
俺がこの手で殺さなければいけないんだ！
そしてこの世界を平和にしなければ
後がない……後がないんだ！

と。



少年はもう一度赤い川を見ると、黒髪の少女の頭が川に浮いているのを発見した。
眉毛も太くて髪は黒いので、一目散にイッシ―だと分かる。


少年は声を上げることも忘れ、涙を一滴流し頭も真っ白にしていく。

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