【名前固定オリジナル】アカツノ【男主】

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スパークはこの穴の近くに座ってみると、あるものを見つけた。それは穴の周りにある小さな血痕だ。おそらく犯人が頭を打った時についたと思われるが……。


「でも変ね。頭には傷がなかったのに、なぜ血痕が？」

「それはたぶん、顔が床に当たったからだと思う」


階段から現れたのは涼しい顔をしているガルバン捜査官だった。キシキシとゆがむ音と共に彼が現れた。


「ガルバン捜査官……あなたは２年間どこにいたんですか？ まさか危険なことを……？」


サリーがそう尋ねると彼はその場で立ち止まり、色白い顔をさらに青くなっていく。そして彼女の方に背中を向けて、肩をブルブルと震わせている。


「それは……言えない。言いたくない。聞かないでほしい」


スパークは泣きべそをかいているガルバンを初めて見た気がする。彼には何か深い過去がありそうだとスパーク青年はこの時思った。


「まあ、いいか……。私はもう犯人を特定できた。だが肝心の証拠が見つからないね。こんなに荒れているのに、被害者を刺した場所が全く特定できないわね。もし刺した場所があるのならへっこんでいるはずだから」


サリーは1人でこんなことをつぶやきながら、また天井を見上げる。


「もしかすると証拠があるかもしれません。犯人の足の裏にボンドがあるならば、それが＿＿」

「いや、スパーク。それはないね。三人の靴の裏を拝見させてもらったけど、何もついていなかった。恐らく犯人は靴を履き替えたと考えられる。しかも靴のサイズだってライチさん以外はぴったりだったんだ。これでは証拠にはならない。もっと確実な証拠があればいいんだけど……」


サリーはとても深く考えているのだが、全く思いつかず苦戦しているようだ。捜査官でさえ難しい事件のようで、スパークはもうだめだと思ってしまった。

思わずため息をつくと、ふとデニーのことを思い出した。確かあれは……。






スパークは目をまるくして、ひらめいたような顔をする。


「サリーさん、俺に考えがあります。そして１つ聞きたいのですが……」


スパークは彼女の耳に少しだけ口を当てて、ガルバン捜査官に聞こえないようにする。聞こえるとあまりよろしくないと思ったからだ。


「ガルバンさんに何があったんですか？」

「彼はね……幽霊離脱しただけだって言っていたわ」

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