___6話___ ページ6
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あの後 案外すぐ眠りに落ちて、次に目を開けた時には、また神威さんの綺麗な顔が私を覗き込んでいた。
神威「まだ眠い?」
確かにまだ頭はボーッとするけど、何も言わずに首を横に振る。
神威「なら ご飯の前にシャワー浴びようか」
手を差し出されたから、おそるおそる自分の手を重ねてみると、ゆっくり神威さんの方へ体を引き寄せられ起き上がる。
なんだか甘やかされていて、どこかのお嬢様になったみたい。
神威「そういえば、そっちの名前は?」
「A…です」
神威さんはそれに少し微笑むと、扉の前で 私の両目を片手で覆い隠して、それに続いて何かピ ピ と機械音が聞こえてくる。
そういえば、あの大きな扉の横に暗証番号の機械が付いていたのを見かけた。
神威「こういうのホントは趣味じゃないけど、暫くはこうやって生活してくれる?」
ごめんね。と言って笑う神威さんに頷いて、開いた扉を抜ける。
誘拐犯だと思ってたけど違うのかな。よく見ると身なりが普通の人とは違うみたい。
私の居た部屋を出ると、またそこは部屋になっていて、多分こっちが神威さんの自室なんだろうと思う。
神威「ねぇ、なんでAは死のうと思ったの」
「え…っと」
神威「まだ今でもそう思う?って、そんなすぐ変わらないか」
急に質問が連続できて困惑していると、私が答える前に自答されて、話すタイミングを失ってしまったから そのまま黙っていた。
「あの、一緒に入るんですか?」
脱衣所らしきところに来ると、平然と服のボタンを外していく神威さんの手を握って止める。
神威「嫌なら別にするけど」
この目は からかわれているんだろうか。
神威さんは常に淡白で、何を考えてるか分からないから困ってしまう。
少し考えている間にも、私の上の服を脱がしていく。
神威「ここ、どうしたの」
私の左腕に、何本も重なるように並ぶ傷跡を見ても
なんとなく聞いただけだと言うような顔をして、跡を撫でるように指を滑らせる。
「これは派手に転んじゃった時ので、あとお風呂は別々が良いです!」
咄嗟に嘘をつき、その勢いで一緒のお風呂も断れば
神威さんは「残念」と言っただけですぐに出て行った。
「いい人…なのかな」
犯罪者なら、多分とっくに襲われでもしてた筈。
転んだと言うには不自然すぎる腕の傷の事も、きっと気づかないふりをしてくれていた。
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さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時