___27話___ ページ27
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私の事を、否定せずにただ傍に居てくれた。
私の悲しみを、同情ではなく共有してくれた。
なんとなく 切れない「縁」みたいなものを感じてた。
この人と一緒に居ると私、死ねないのかな。
だってこんなに温かくて心地いいから『あー死ぬのは明後日でもいっか』って思っちゃうんだ。
神威「こうして ゆっくり手を繋ぐのも良いね」
隣に添い寝されて 手を絡めて、私を見てる時の、その優しい目が好きで。
この人が明日も生きているなら、私も『明日まで生きてみようかな』って思っちゃうんだ。
もうほんと勘弁してよ。貴方が傍に居たら私、どんどん死ねなくなる。
神威「あ、また泣いてる」
「神威さんが、好き過ぎて泣いてます」
神威「もっと好きになってもいいよ」
その言葉に ふっと笑って涙を拭った。
ちょっとずつだけど進んでる、この男女の行為にドキドキしてきた。隅から隅まで全身にキスを落とされて、頭がポーっとする。
神威「気持ちいい?」
「ん…」
神威さんの誘いをすぐに「うん」と頷けなかった夜、あの時のことを、私は気にしすぎてたのかな。
聞き分けの良い、いい子で居なくても、焦らなくても ゆっくりで良かったんだ。
神威「息止めないで。ゆっくり吐いて」
言われた通りにしてみれば、神威さんの指先が 私の肌の上を滑る度、背筋に甘い痺れが走った。
「ま、待って…なんか変になって」
止めようと手を伸ばすと、いつの間にか服を脱いでいた神威さんの上半身に、不可抗力で手が触れてしまう。
「ぁあすみませっ」
神威「いいよ、Aも触りなよ」
手首を掴まれて、私の手のひらが神威さんの胸元に当てられた。
もうドキドキし過ぎて、この鳴ってる脈は神威さんの心臓なのか、私の心臓が全身で鳴ってるのか分からない。
神威「かなり緊張してるね」
「私、はじっ初めてで」
神威「あ、それは知ってる」
なんかバレてた。
手のひら誘導のおかげか、段々と自分から神威さんに触れるようになってきた。
神威「ん?」
顔を包み込むように、形を確かめるように、両手で綺麗な顔に触れると 首を傾げて微笑まれる。
「好きです、大好き」
そう言うと、私以上に愛しさの込められた「好き」が返ってきて、ただそれだけなのに 泣きそうなくらい嬉しくて。
この夜が永遠ならと、願うくらいだった。
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さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時