298話 炎 ページ25
落ちて落ちてようやく見えた景色は、なんだか大きなお屋敷で
........どこかで、見たことがあるような
屋敷なんて何処もさほど変わらないのかもしれないけど、見覚えがあるように思えて仕方ない
着地した庭を一通り見渡してから、私は玄関口であろう門がある方へと向かう
『.........?』
そこはとても静かな屋敷で、玄関口にも人はいなかった
だけど、すぐ間近で見た門の表札に書いてある、その名字_________
________そう、煉獄という名字だ
気づいてみれば、そこはかつて伊黒さんと一緒に来たことのある煉獄家だった
ここが煉獄家なのだとしたら、ここにいるであろう人は二人
一人は、私のよく知る、煉獄様
もう一人は、昔に亡くなられた煉獄様のお母上だ
......その時
建物の影の、先ほど私がいた庭の方から唐突に
もう長く聞いていなかった煉獄様の、元気の良い笑い声が聞こえてきた
『........っ、れ、煉獄様?そこに、そこにおられるのですか?』
急いでそちらに走り出すと、だんだんとそこにいる人の気配がはっきりしてくる
______嗚呼、知ってる、知ってるよ
この温かい鍛えぬかれた気配、絶対に、間違えようのない
『っ、れ.......煉獄様.....?ほ、んとうに........』
「!A少女.....本当に久しぶりだな、君は元気だっただろうか?
.......こら、やめないか。そんな顔をしては、せっかくの君の綺麗な顔が台無しだぞ!」
片目は、潰れていなかった
お腹にも穴は空いていなくて、すごく元気で
元いた場所からスッと移動して来てくれる煉獄様が、あまりにも愛しそうに私を見つめるから
私は、ついつい彼の大きな体にすがるように、ヘナヘナと地面に座り込んだのだった
『れ、んごく様.....貴方は、本物なのですか。ここは、一体何処ですか
私、死んだんですか?それとも、まだ生きてますか。三人は、皆さんは無事でしょうか
貴方は、何故.......あの時に私を庇ったんですか?何故、私たちをおいて......
私は、貴方の代わりなんて無理です。疲れました、もう、どうして全て上手くいかないんでしょう
ごめんなさい、私、弱くて.....
貴方がみこんでくれたように、強い人間ではなくて』
彼の姿を見て張っていた気が緩んだのか、聞きたいこと言いたいこと
その全てが、一度に流れ出てくる
そんな私を煉獄様は、優しく包み込むように抱き締めてくれた
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時