297話 わかち合う ページ24
「......Aさん、1つお願いがあるんです」
『?はい、なんでしょう?』
かしこまった口調で私を見つめる彼女に、小首を傾げて聞き返す
.......嗚呼、この人は、本当に優しい人なんだなぁ
今初めて出会ったはずの私なんかのことを、心配や愛情の瞳で見ている
そんなことができるのは、炭治郎や御館様、煉獄様
そして今私の目の前の彼女のような、本当に心の底から優しい人だけで
_______それは、私には到底真似できないことだ
自分のどこが彼女たちと違うのかなんてわからないけれど、何故か、直感的にそう思った
「実弥と玄弥を.......どうか、よろしくお願いします。二人ともすごく優しい子なんです。
素直になれなくて、入れ違ってしまっているだけなんです。あの子たちを、どうか助けてやって」
残された子供の身を案じて、もう一度深く頭を下げる彼女に
自分が感動しているのか、悲しんでいるのか.....
私はそれすらよくわからず、それでもとにかく彼女に向かって頷いていた
『......はい、わかりました。安心して、どうか私に任せてください。
二人がとても優しいことも、互いが互いを何より思っていることも、全部。知っていますから』
そう、私は知っている
玄弥君は、初めて会ったときはとても荒れていた
声をかけてもずっと不機嫌そうで、ニコリともしなかったのを覚えている
だけどあの時彼が、呼吸が使えない焦りや自己嫌悪と、戦っていたことを知っている
私は風柱の不死川さんが苦手だし、きっと彼も私が苦手
.......だけど
だけど、彼のその怒りの奥底には、限りのない愛が詰まっていることを知っている
『.......きっと、貴方が優しい人だったから、彼らも優しい人になったんでしょうね。
大丈夫、守って見せます。いつか二人が一緒にお墓参りに来るの、楽しみに待っていてください』
「!!......そう、ですね。本当にありがとうございます、Aさん。
楽しみにしています。それからその時は是非、Aさんも一緒に来てくださいね」
″私たち家族皆で、いつまででも待ってますから。″
彼女がそう言った瞬間、家からまだ幼い子供が出てきて、私に次々に話しかけてくる
「実弥兄ちゃんと玄弥兄ちゃん、仲直りさせてあげてね!」
「なあなあ、姉ちゃんって玄弥兄ちゃんの彼女?」
「違うわよ!変なこと言わないの!」
それから、家族全員でニッコリ笑って
私の体を下へと押した
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時