276話 兄弟 ページ3
なんで、貴方はそんなに嬉しそうにしているの
どうしていつも冷たくする人が、こんなときに優しくするの
『.....なんで、』
「あ?なんでってそりゃ、勝機があるからに決まってんだろォ!
相手の戦い方がわかるならこっちのもんだァ、見つけ出して切り刻んでやれば良い!」
そう、生き生きとした様子で話す風柱
その様子に驚いてポカンとした私と無一郎君を見、ようやく我に返ったように付け足した
「あー、いや、まあ......鬼を殺すのが俺の生き甲斐だからっつぅことだァ」
気まずそうに目を反らして立ち上がる風柱に続き、無一郎君は私に背を向けて背中に乗るよう促す
.....優しいなあ、皆
風柱も、やはり本当は優しい心を持つ人だ
とても分かりにくいし、そもそも分かってもらおうとすらしていないんだろうけど
少し恥ずかしく思いながら無一郎君の背中に乗れば、軽々と持ち上げられ足が地面から離れる
「とりあえず本部に行こう。Aは、本部に戻るっていう方が正しいかもだけど....
疲れたでしょ。少しの間だけど寝てても良いよ」
走っても私が落ちないように、しっかりと背負い込んでくれる無一郎君
その背中は、14才とは思えないほどたくましくて
惨めさと悔しさで押し潰されそうになりながら、私は無一郎君の背中で眠りに落ちた
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次に目が覚めたのは、鬼殺隊本部の部屋
しかし、見渡しても報告をするはずの御館様はおらず
代わりに少し離れた所に、頬に傷のある小柄なおじいさんが座っていた
『?....どなた....』
「....!Aちゃん!Aちゃん起きたんだね!?」
ゆっくりと体を起こそうとすると、突然上から顔を覗き込まれて
最初に見えたのは、心配そうに顔を歪めた、自身の同期である善逸の姿だった
『善逸....?あ....む、無一郎君と風柱様は!?御館様にも会わないと....
それに、獪岳さんが!ごめん善逸、本当ごめんなさい.....貴方のお兄さんを鬼にッ、』
「大丈夫だよ落ち着いて、二人はAちゃんを預けて鬼の捜索に向かったんだ」
『....そう、なの....?』
「うん」
そうして少しだけ眉を下げながら、そっと私の頭を撫でる善逸
その様子は、普段から考えられないほど落ち着いていて
と、その時
私たちを見ていたおじいさんが、床に頭がつくほど、低く低く頭を下げた
「お嬢さん、善逸と獪岳と親しくしてくれて有難う」
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時