出来れば関わりたくなかったデス [ HQ ]

Ep.40 ページ42

Aside













治「ほな、戻るで 。 」









治先輩はそう言って私に手を差し伸べてきた





『え、 ？』







治「Aはすぐ迷子なるからな、土地知らん奴は
黙って着いてきとけばええねん 。 」




『 う゛... アリガトウゴザイマス 。』









治先輩の手をとると 、

今度はぎゅっと握られ
「こんなちっさい手でラケット握れたんか？」と煽りの一言








『 ギリギリ... って、なんですかその顔』




治「嗚呼、すまんすまん 。 冗談で言うたつもりやったんに
あまりにも真面目に返してくるから」









手を繋いでいないもう片方の手で腹を抱え
ずっと笑ってる 先輩









...





『 私、東京に仲良い幼馴染がいるんです 。 』



治「 ほう？ 」








『 その幼馴染、バレーか大好きで毎日私を誘ってはもう1人の
幼馴染と河川敷で遊んでました 。 』









でも私だけ、
なかなか上手くボールを返せなくて



「もうしたくない」って駄々こねた時があったんです







そしたら、俺とこいつがバレーで最強なるから
1番近くで応援してろーって、




そしたら3人で最強だって、そう言ってくれたんです 。






意味わかんないですよね 、
でもその時はなんだか嬉しくって









その後すぐに引越しが決まって、離れちゃって
バレーとは無縁になったんですけど


おにぎり握って監督さんに呼ばれた時は





＿＿＿＿ 嗚呼、もしかしたらそういう運命なんやろか







そう思ったんです 。








『 だから、苦手なスポーツではありますけどこの部活全部が
嫌やったわけじゃないです 。 』






辺りがもうすっかり暗くなった頃

街灯が照らす道を歩きながら先輩は私の話を静かに聞いてくれた










治「 その幼馴染さん、Aがバレーを好きになって
くれたらもっと喜ぶと思うで 。 」



『 あ、 』








そういえば走ってここまで来る前に

体育館で叫んじゃったんだっけ








『 喜んで、くれますかね ？』





治「 俺が保証するわ。 それに幼馴染さんだけやなくて、
俺らもAがバレー好きになってくれたら嬉しいけどな？｣





治「 っし、 着いたで 」






気がつく頃には、
いつもの体育館の入口に辿り着いていた 。







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