ラムネ【Fischer's】

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「出来たよ」





「うわ！うまそう！」





「食べて、食べて」





「いただきます」





半熟の卵を崩しオムライスを頬張る諒。





「うまい！半熟のオムライス作れるとかすげえな」





「見直した？」





「見直した。みんなに食わせてえもん」





「そうなったら緊張しちゃうな、たぶん」





「俺も自分で言っておいて他の奴に食べさせたくねえとか思ったからさっきの無し」





「うん、わかったよ」





お互い照れ隠しに顔を背けて笑った。





「そうだ」





オムライスを食べながら声をかける諒。





「なに？」





「俺さ、アマゾン行こうと思うんだ」





「…え？」





「危険なのはわかってんだけど





行きたかったのもあるし、行ってやりてえこともあるから





応援してくれたら嬉しい」





二人の間に沈黙が流れる。





私は返す言葉を探していた。





「じゃあ、私ついて行く」





そう言うと即答で





「だめ」





と言われた。





「どうして？私カメラマ…





「どうしてもこうしてもねえよ。





危険だらけの場所にどの馬鹿が彼女連れてくんだよ





俺はお前を危険な目に合わせたくねえ」





さっきの雰囲気とは一変して真剣な目つきで放たれたその言葉には





覚悟と責任が重くのしかかっているのが伝わった。





「…うん、わかった





応援して待ってる」





「ありがとう」





「けど、一つだけお願い」





「うん」





「絶対生きて帰ってきて。





ウオタミの皆さんのためにも」





「あたりめーだろ





まだやりてえこと山ほどあんだから死ねねえよ」





「ならよし」





私は彼の頭をくしゃくしゃに撫でた。





「やめろよ、食べてんだろー？」





そうしなければ寂しさが溢れてくる気がした。

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