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それからはしばらく実家のお世話になって、母の体調が元に戻るまで手伝いをした。
千冬くんに母の状態とすぐに戻れる事を伝えたんだけど、折角だから休んでこいという事で結局休みをいただいた。
母は私が居ることをいい事に、大掃除やら手伝わせるもんだから、もらった休みの半分を実家で過ごした。
『もう気が済みましたか、お母様？』
「本当、めっちゃ助かったわ〜！」
お茶の間でお茶菓子片手にテレビを見てのんびりしていると、スマホの画面が光った。
【灰谷竜胆 着信】
久しぶりに見た彼からの着信に、心臓が締め付けられる感覚。
「A？どうしたの？固まって。」
『ちょ、外出てくる！』
はーいと間延びした母の声を背に、私は家を出た。
一呼吸置いて電話に出ると、懐かしい彼の声ではない。
〈Aちゃん…？〉
『…蘭さん…？』
蘭さんの声にいつもの元気が無くて、不安がよぎる。
〈竜胆、目覚さなくて…。Aちゃんには言っとかないとって思ってさ。〉
え……？
脳裏を掠めたのは、梵天の抗争のニュース。
『竜胆さん怪我したんですか！？目覚まさないってどういう事ですか！？』
捲し立てる様に言う私に、蘭さんは口を開いた。
〈ニュースで知ってると思うけど、梵天の抗争があっただろ？あの抗争で竜胆が怪我して、1週間意識が戻らねぇ。〉
あの時の抗争からずっと……？
バクバクと心臓が音を立てて、冷や汗が滲む。
蘭さんの言葉が頭の中で繰り返しぐるぐるとまわって、同時に視界が滲んだ。
『私、会いに行ってもいいですか…？関係者じゃないのはわかってるんですけど、少しだけ…会わせ、て…もらえませんか…？』
なんとか絞り出した言葉に、蘭さんは待ってると言ってくれた。
指定された場所は病院ではなくて、マンションの一室だった。
そうだ、竜胆さんは犯罪組織の一員なんだ。
普通の病院には、きっと行けない。
『ごめん、お母さん！帰る！』
急いで家に戻り、キッチンで晩御飯を作っている母に言った。
「気をつけてらっしゃい。その人の所に行くんでしょ、今度紹介してよね。」
母には全てお見通しの様だった。
家を飛び出して、普段は使わないタクシーで駅まで向かう。
言いようのない焦燥感が私の心をえぐった。
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名無し(プロフ) - 葉月さん» 葉月さんコメントありがとうございます！なんと嬉しいお言葉😭私も灰谷兄弟が好きで、次の新作は蘭ちゃんで書こうかなと思ってます…！最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ (2021年10月21日 11時) (
レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - まよさん» まよさんコメントありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました！続編は検討中ですが、この先のお話も書きたいものがありまして、番外編を書こうかと思っております🙇♀️ (2021年10月21日 11時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 鮭るすさん» 鮭るすさんコメントありがとうございます！作者も竜胆さんと別れる時は泣きながら書きましたw自分の作品で泣いてくださる方が居るというとは幸せです😭最後までお付き合いいただきありがとうございました！新作ができたらまたぜひ🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - I’m海月さん» I’m海月さんコメントありがとうございます！涙して下さったんですね…作者として本当に嬉しいです😭お気遣いありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ATR214YSさん» ATR214YSさんコメントありがとうございます！無事完結いたしました！最高だなんて嬉しいです😭最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました！🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年10月13日 12時
