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塾に向かう為にいつもの道を歩いた。

すると


「ねぇ」

と声をかけられた。

誰だろう、でも昨日聞いたような。

前から歩み寄ってくる彼は・・・

「俺ペコ、チームバロンで踊ってるよ」

流れ的に・・

「私はAです、何かご用でしょうか?なければ急いでいるので・・」

彼は私の手首をもって


「いこっか!」

と腕を引いて走り始めた。


彼の目的の場所に行く途中リュックを取られて彼が持った。




彼の目的地はカラオケだった。

「あ、お金は俺が払うから!」

と言って部屋に案内された。

勿論パニック状態の私はついてきてしまった。


「えーっと、簡単に言えば一目惚れなんだけど・・。
 ザックの妹だよね?Aちゃんは」


兄の芸名・・的なやつだよね、ザックて。

「そうですよ」

「おれね?」


話始める君とは机一個はさんでソファに座り込んでいるけど
声は近くに聞こえた。


「君に嫌な事が起きるって直感で、心配で仕方なくなっちゃって。
 きみがあまりにもさびしそうな背中してたから・・。それに
 高校生なのに楽しくなさそうにうつむいて、時間が張り詰められてるみたいに。

 だから俺に君の時間を買わせてくれないかな?」

彼なりに考えたのだろうな。


「残念ながら私の時間は売ってません。それに・・楽しくない訳じゃありません。
 時間だって学生ですから余裕ですよ」


そんなことない、口が動く。

「心配されるような事はありません、では」

遅刻してでも行かなければならないのだ。


「嘘、どうせ不審者にさされたいとか思ってるんでしょ」



やけについてくる人だな。


「お願いだから、・・友達からでも全然良い。だから・・
 君に余裕を作ってあげたい、好きな事させてあげたいんだ。」

優しく手を包まれた、荒れた私の手を。


「君は俺なんかが予想もつかない苦労や苦しみを感じてるんだろうね。
 だから俺と居るとき演じないで欲しいんだ。
 ザックとじゃ気まずいでしょ?」

遠慮気味に笑う君に優しさを感じた。


「さーって、何かうたおー!」

とマイクを横において曲を選ぶペコさん。

「最初私が歌います」

なんて横取りする私、素早く曲を入れてマイクを握り締める。


「信じて良いんですよね、ペコさん。」

「うん良いよ!ペコって呼んで!」

ニッカリ笑う彼に私は脳内に「休む」ことを追加した。




何も考えなくて良いんだって思える時間を

作れる幸せ、





それをペコに教えてもらったから・・

4,怠惰→←2,比較



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アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時

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