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家に帰るといつものように母が私に舌打ち。
見たくないなら部屋に閉じ込めればいいのに・・。

そんな事も思いつつ、出された冷めた料理を口に運んだ。
母が自分で食べるだけあって丁寧に作られているが、
弁当は人生で一度も作ってもらえた事が無い。


兄にはいつも彩のある美味しい弁当を作っていたそう。
兄には好きな事をさせて、その上努力家の兄は勉強もしていて効率もいい勉強法をすぐに
身に着けたため成績良し。
生まれ持った運動神経の良さに加えてダンス部で鍛え上げられたキレの良さ。

簡単に言ってしまえばそんな完璧のような兄のもとに生まれたわけだ。



私は逆、好きな事も出来なければ塾には行かされ習い事も詰め込まれて
学校ではイイコを演じなければならない。


精神はボロボロなんてものじゃない。


「ごちそうさま」

そう言って皿を洗い、他の人の食器も洗って棚にかけて乾かす。
風呂に行き、すぐ上がって
学校の課題に手をつける。時間は深夜の一時、寝る前の歯磨きをして
布団に入る。

これから私の自由時間だ。
と言っても朝は早起きして洗濯物を干して仕事を簡単に済ます。

戦極という私をスカウトした方が、厚意で隙間時間でイイと仕事を
こまごまくれるのである。



ねむってしまう前に耳にイヤホン。
曲を流して寝る。





起きて洗濯物を干して・・としていると扉が開いた。

「・・早いな、おはよう」

兄が帰ってきた。

「おは、ようございます・・」

足が震えてのどもしめつけられて上手く話せなかった。

兄は「やっぱりか・・」といった表情で目を伏せて母のいるであろう寝室に向かった。


洗濯ものをたたんでテーブルの上に置いて自分のモノを部屋に持ち帰りなおして
身だしなみを整える。

朝ごはんを作り珈琲が出来上がるころに親が起きてきた。

無言で食べ始めて

「あー本当まずいわ」

なんて言って食べる。兄が下りてきたのを見れば

「***、Aが朝ごはん作ってくれているの是非食べて」

と微笑んだ。


食べ終わったのを見て食器を片づけようととって洗っている
飲み物をとりにきたついでに私の足を踏みつけた。

痛かったけど慣れてしまって声も表情も出なかった。

時間ギリギリに高校に向かい、高校には遅刻ギリギリでつく。
そこで勉強してヴァイオリンの稽古三時間、仕事場で2時間働いたのち
塾に行く。

高校まできてこんな中学生みたいに塾なんて・・・そう思いながら家について
塾の荷物に持ち替えた。

そして

家を出る。

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アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時

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