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27.発見 ページ29

たまり場に戻れば兄が待っていた。


「戒斗、Aと二人にしてくれないか?」

静かにそう言えば

「・・A」

と私の方に向き直って、お前が選べと言わんばかりの眼で名を呼ばれた。

「俺は・・構いませんよ」

腹をくくるときだから。

「分かった、行くぞペコ」

「えぇ?また外ですか・・・」

嫌々ながらにも二人で外に行けることに嬉しさのあるペコ。


――・・

「Aの事だからもっと手の込んだ事するのかと思ってた」

「俺だから?俺だって自分の名で自由にしたいんでね」

兄の言いたい手の込んだことは名前の事だろう。
分かってる、初めて言われたときから気に入ってるこの名前だ。

偽るなんて出来ない


「何で距離を置くんだ?俺が何か悪いことしたか?気に食わないことがあったら」

どんどん声が大きなっていくし、声は震えている。そんな兄が前に居た。



「別に悪い事はしてないし気に食わない事もない。
 誰も人の気持ちなんて理解できないんだし・・俺は子供だし」




そう言えば兄は

「それじゃあなんで!!」


と立ちあがった、表情はさっきから下を見ていたりで見えない。
でも声から明らかに色々混ざってるんだ。


「何でって・・・そりゃあ、約束・・待ってたのに・・・」


何でか分からない、なにかも覚えてない
でも本当になんでか涙がじわじわと溢れてきた


「おぼえて・・」

「何も覚えてない、でも・・何かあったかい・・待ってた・・」


上手く話せないけど・・・



「覚えてないのかよ・・・まぁ無理もないか。
 お前は小さかったし、俺も守れなかったし・・」

そう言って俺の方にこれば髪を撫でて後ろに持っていくのと一緒に目線を合させると


「兄として言わせてもらうけど


『お前が今楽しいなら俺も嬉しい。

お前がこの先嬉しそうなら俺も楽しい』


だからもう俺は兄貴とかじゃなくてバロンのザックとして見て欲しい」


これだから純粋でまっすぐな人は嫌いなんだ。

人の気持ちなんて分からない癖に我儘ではない
勝手を言うんだ。


ゴタゴタ解消・・かな・・


思わず漏れた微笑に兄・・いいや
ザックさんは「お、オレ宛は初めてだな」ってニッカリと笑った。









____まるで主人公みたいな兄は

ただの敵陣の中ボスに成り上がってたんだ。

28.兄妹→←26.悪感



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アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時

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