【鎧武】おにーちゃんと俺『バロン』 (ページ13)

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１１・訪問ページ13

―――戒斗side

Aの家はダンスを踊る前にたまたま聞いた。

家に尋ねるのだから、それまぁ多少のモノは持っていく。
それを片手に宅訪問。

チャイムを鳴らすと、まぁそれなりに美人の部類に入るのであろう女が出てきた。
不用心だな、そのまま出てくるとは。

「息子さんと一緒にダンスをしています、駆紋戒斗と申します。」

「あらそうなの？***の友達なのね、上がって上がって」

そう上機嫌に言う母親はAから聞く通り、ザックには良い態度なのだろうと
確信した。

・・

「あの、これ良ければ家族で食べてください」

そう言って出したのはケーキ。

「あら有難う・・・冷蔵庫に入れとくわね」

といって台所に消えた。

見回す限り少し金持ちと言ったところだろうか。
広いリビングに広めにとってある廊下、普通なら不満ない円満な暮らし・・

「紅茶は平気かしら・・私これ位しか入れれないの」

そう言って出したのは本当にただの紅茶、香りからするにスーパーに売ってるような安物だ。

「それで、***に何かあったの？」

と席につき俺に言う。
直接Aの事を聞くのも良い策だが念には念をザックの話から入る。

「今度チームを作ってから三年目の記念パーティーをするのですが
　副リーダーの彼に何かサプライズがしたくて、参考にうかがわさせて頂きました」

最後に微笑をつけるとコイツは口を開いては黒い部分を早速あらわした。

「それなら向日葵とかどうかしら？なんでか小さい頃から向日葵が好きでね。
　あぁそれとか可愛いくて綺麗で成績優秀な彼女を紹介かしら
　あの子ももう年が年でしょ？彼女の一人もいないのはさびしいでしょ？
　んー・・でも髪の長い子と何も出来ないような子は絶対ダメよ」

最後にさしているのはきっとAの事なのだろう。
あそこまで髪を大事に伸ばしている奴はそうそう居ない、そして
この母親の前でいう何も出来ないは、思い通りじゃない。つまりAに当たる

醜い奴だな、権位だけでここまで強者面する奴は・・・。

ベランダに干してある服を見た、あれは女モノしかもサイズ的にコイツは着れない。

「あの・・話それるのですが娘さんはいらっしゃるんですか？」

そう聞くと完全に皮が剥がれた。

脆いものだな。