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10.誓華 ページ12

―――ザックside

戒斗に言われた通りの丘に行った。





_____約束の場所______


そう、俺がAを守ると誓った。



綺麗な緑、身長と同じくらいの向日葵は笑顔のように明るく咲く。



「・・・・」

静かに目を開き、今の状況に気付かぬA


「もう体調は平気か?」

俺の問いに驚き、精巧な動きで地面に降りた。
なんであんな華麗な動きなのだろうか、やはり母なのだろうか。


「なんで兄さんが私といるんですか・・」

震えた声で身を屈めて戦闘態勢だ・・・。


「はぁ・・ハッ・・・ハァ」

息を切らしたペコが後ろに居来た。


今しかないんだ・・・。


「なぁ、A」


前と一緒は嫌なんだ、今はもう俺は大人。

だから昔と一緒になるわけにはいかないんだ・・・




「お兄ちゃんと一緒に「煩い!!!」・・・A??」

あまりの荒げた声に体も口も動かなくなった。
体が痺れた様に。


「Aちゃん・・・」

ペコが歩いてAの方に行く。


「ペコ・・・・」

膝を付き屈んだペコに抱き着き顔を埋める。


ペコがあの一日でAに何をしたかも分からないし、勿論知らない。
だけど、Aがここまで懐くのは俺だってできなかった。


単純にペコが憎くなった。

仲間で、同じで・・何が違うんだと。



「Aちゃん・・・逃げちゃダメだよ、解決させなきゃ。
 でもね・・・自由な時間も必要なんだよ

自分の手で勝ち取らなきゃ、自由を自分を・・・

 戒斗さんもきっと手伝ってくれるし心強いっしょ?」


そう言ってAの背中を撫でる。


顔を上げたAが言った


「ぺこ・・有難う・・救われた」


救われた。



俺は何もしてない、何も出来ない。

この約束の場所で改めて約束も出来ず、兄としても何も出来ない。


俺が出来た人間だとは思わない、だが俺が出来てなかったらAは
こうならずに俺たちは普通の兄妹になれたのか??


分からない



いつもAの事だけが分からない。

11・訪問→←9.兄妹



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アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時

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