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十八本の薔薇を君に捧げる ページ26

香織side



?「素晴らしい。」

香「………見ていたの?」

?「偶然通り掛かったのだよ。」

香「………どうして、貴方のような人が通り掛かったの?」

………男が纏っている衣服は汚れも少ないし、髪だって乱れていない。

少なくとも、此処の住人ではないのは確か。

?「………どうやら君は頭の回転が疾いようだね。」

香「有難う。」

此の人の目的は何。

心が探れない。

次に発する言葉も。
次に起こす行動も。

何も、判らない。

?「君、名前は?」

名前、教えても善いのだろうか。

………でも此処で偽名を使っても、多分バレる。

香「香織………江國香織。」

?「香織ちゃんか………佳い名前だね。」

………名前を褒められるのは、初めてだった。

孤児院では他の人とは関わりが無かったから。

?「香織ちゃん。」

香「何。」

?「私の養子に来ないかい?」

養子………。

此の人の手を取れば、世間に出れる?

………答えは、決まっていた。

香「判った。」

其の手を取ると、男は満足そうに微笑んだ。

繋いだ手は冷たかったけれど、また誰かと手を繋げた事に私は安心した。

今日から此の人が親。

血は繋がって居ないなんて、もう慣れている。

香「貴方の名前は。」

?「私かい?私はね_____だよ。」

お父さん、か。

此れもまた_______









 









香「ん………。」

見覚えの無い天井………否、医務室か。

確か気を失ったんだっけ。

嗚呼、また迷惑掛けちゃったのか………。

出来損ないは厭だなぁ。

太「香織………。」

香「おはよう治。」

太「善かったッ………!」

起こした上半身に重みを感じたのは、数秒にも満たない事だった。

太「私………!君まで居なくなったらどうしようってッ………!」

………治はまだ迷子なの?

ねぇ私はどうすれば貴方を救える?

まず、私に貴方を救えるの?

香「大丈夫、私は今此処に居るでしょう?」

こう云っても治は抱き付いて離れない。

そう、だよね。

こんなちっぽけで安い言葉で、安心は出来ないもの。

………最適解が、見出だせない。

白「十九話目〜」→←雨雨降れ降れ、触れれない



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櫻夢(プロフ) - サクラさん» ヒェェェエ、有難うございます!!ご期待に添えるよう、頑張らせて頂きます! (2019年5月12日 15時) (レス) id: 1ae4b15f99 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - サクラ、この小説好き!!だから、頑張って!! (2019年5月12日 9時) (レス) id: 8f4ae8bf9f (このIDを非表示/違反報告)
櫻夢(プロフ) - 夢華さん» 頑張ります! (2019年5月9日 18時) (レス) id: 1ae4b15f99 (このIDを非表示/違反報告)
夢華 - 更新、頑張ってください! (2019年5月9日 18時) (レス) id: 2a7a626782 (このIDを非表示/違反報告)
櫻夢(プロフ) - 夢華さん» じょっ上位!?有難うございます!!更新頑張ります!! (2019年5月9日 18時) (レス) id: 1ae4b15f99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻夢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Ymamihaa131/  
作成日時:2019年3月28日 12時

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