検索窓
今日:43 hit、昨日:111 hit、合計:19,065 hit

第271話:デート ページ35

中学生らしからぬとよく言われる僕の、精一杯かつ多少不格好で中学生らしすぎる誘いを、彼女はまっすぐに受け取り。

むくっと上半身を起こして、差し出した僕の手を取り、はにかんでこう言った。






「もちろん、喜んで。



わたし、すっごく楽しみです。」






その時のAの嬉しそうな笑顔といったら、僕達が出会ってから見た表情の中で一番と言っていいほど、心からの笑顔で。


あまりの彼女の可愛さに、僕は口角を抑えて「良かった」と言うので精一杯だった。
眩しいこの笑顔を、僕が守らなければ。







.







.








正直に言えば、Aとのデートの計画を考えていない訳がなかった。
今日たまたま切り出すきっかけがあっただけで、交際を始めたての恋人として次のステップに進むとしたら、と想像だけはしていたのだ。


当然、Aを狙う連中への対策も。
Aとの大切な初デートに一切手出しはさせない。
できるだけAにも気付かせない。


黒子には「目立つ行動は避ける」と言った手前いい顔はされないだろうが、連中の動きを静観してばかりでも居られない。
必要なのは相手の動きを読んで先手を打つこと。
後手にとにかく回らないことだ。

そういった意味を含めて、彼にはしっかり説明をしておかなければ。
味方に敵は作りたくないと言ったら、また茶化すなと拗ねるだろうか。




Aと決めたデートの日付は、来週の土曜日、部活の無い日。
それまでに考えること、やるべきことを数えれば、時間はありそうで無い。




…なに、やり遂げてみせるさ。

僕は赤司征十郎だ。

これまでの後手に回った失態をひっくり返すくらい、完璧にエスコートしてやろうじゃないか。



そうしたらAも僕を、恋人としてしっかり意識してくれるかもしれない。

まだ彼女の口から「好き」の言葉は引き出せていないが、デートの誘いに喜んでくれるくらいにはなった。
合宿の夜には彼女からのキスも受け取っているのだし、多少自惚れてもいいはずだ。

今回で確実に…とは言わないが、少しでも僕といて楽しいと思って貰いたい。

長期戦は覚悟の上。彼女が僕に惚れてくれるまで、守り抜いてみせよう。



気合い十分、準備は万全に。今回はかなり本気だ。
こうなった僕は誰にも止められないことは自覚している。


ひとまずは、Aの好みを把握するために少しずつ話そうと2人で決めたLINEでの毎晩の連絡。
うっかり浮かれ具合が出ないように気を付けよう。

第272話:内緒→←第270話:お誘い



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
288人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 黒子のバスケ , 赤司
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白虎 - 赤司くんはやっぱりカッコイイですね〜 (7月21日 10時) (レス) id: eab1ac402f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Mae | 作成日時:2022年4月19日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。